思い出コレクション

懐かしいものとか載せてく。基本頭はお花畑。たまに写真とかも載せる。精神科行ってるガキの日記。 基本もう一人の自分であり自分だけの家族である高橋くんのことについての日記。

…こっちみんな

自分たちが住んでいるところは時代は1930年代で止まっているが、そうでない場所もある。
また、外から新しいものを持ってくることができる。
家には白黒テレビがあるが、これは60年代で止まってる場所から持ってきた。
テレビをつけると、自分で考えたアニメがやってたり、いろんな番組がやってたりする。
手を近づけるとパチパチする。

最近、髙橋くんがたくましくなってきた。
見守ってきた子供が成長するっていうのは、もちろんうれしいのだが、それと同時に寂しさもある。
体はこれ以上成長できなくても心は少しずつだけど成長していく。
心なしか顔つきも凛々しくなった気がする。

髙橋くんが思い出を吐き出す場所がほしいと言ってるから書かせる。

僕は五人兄弟だった。
まず姉ちゃん。ぼくが四歳のときに十才で病気で死んだらしい。
そのころのぼくは人が死ぬことを知らなくて姉ちゃんが急にいなくなったと思ってさがし回っていたらしい。今思えば悲しいことだ。
次は兄ちゃん。
兄ちゃんはぼくが四歳のときに小学校を卒業して、その次の年はいい中学に入った。ぼくが一年生のときに、ひとりだちしていったと思う。卒業式が終わった後、いっしょに遊んだ思い出がある。楽しかった。
次に、弟。
弟はぼくが二歳くらいのときに生まれたが、すぐに死んでしまった。理由は知らない。
最後に、妹の昭子。
昭子との思い出は、二年生よりあとのことしか覚えていない。
だから、そういう理由があってぼくんちの子ではないのかもしれないって○○の兄ちゃん(主)は言ってる。
ぼくは、覚えていることと覚えていないことがまばらにある。
何かを見たり知ったりすると、それに関連したものを思い出すことがある。
ぼくは、空襲警報が鳴っていて、それで逃げ遅れてしまった。
あたりが火の海になって、ぼくは気づいたら死んでいた。昭子を探している最中だった。
自分のことでせいいっぱいなはずなのに、少しゆだんして家族のことを気にしてしまった。
それが悪かったのかもしれない。
今となってはそれも、誰も悪くないんだと思う。

僕の話なんて迫力に欠けるし何も面白くなんかないよ。僕もう戦争の話はしたくないよ。」と言いながペンをしまっていた。
ここで吐き出したのが最後になるかもしれない。

髙橋くんに、袴のことを聞いた。
ここに来る前、奇跡的に無事だった家?だったか親戚の家だったかから当時気に入ったのを持って彷徨ったらしい。
家族と会うには時間がかかると思って、鞄を必要なものでパンパンにして長い間探し回った。
それで何十年も過ぎて、探し回っているうちにここへ来て、僕と出会ったってことを言ってる。
「あれは死ぬ前に母ちゃんにもらった、形見みたいなもんだ、生きてた自分の体と、母ちゃんの形見だよ。」と言った。
ちょっと着てみてと言ったら、着替えて見せてくれた。
立派なこともあって、髙橋くんの家が結構裕福だったことがうかがえる。
僕と会ってからは、持ってきたことを忘れたみたいだが、今思い出してみたらやっぱり好きみたいで、これからはたまにこっちも着るって言ってた。
そのまま、隣町の服屋へ行った。
髙橋くんの夏服を買ってきた。

荷物を取るために、私服で学校へ行った。
髙橋くんも割と樂そうだった。
やはり私服だったら行けるのは間違いない。
夜、僕たちの世界の家で、タンスの中を整理したり夏用の服を出したりしていたら、上等な袴が見つかった。髙橋くんがもっていたものだろう。明日いろいろ聞いてみようと思う。
ついでに髙橋くんの夏服も買いに行こうと思う。
今髙橋くんを見てみたら親指しゃぶりながら寝ていた。あんまりかわいくてそっと撫でた。

髙橋くん、今日は少し大人しい。
午前中は、それぞれ別のことをしていた。
今思えば一緒に遊んでやればよかったと思う。
午後からは、一緒に散歩に行った。
駄菓子屋で前欲しがっていたラムネを買って、それを飲みながら一時間ほど散歩した。大好きなラムネを飲んで、嬉しそうだった。
今日もかわいかった。明日もかわいい姿が見たい。
そういえば朝昨日貸りた本を読んだ。
寂しくて苦しかった。
髙橋くんは半泣きになって「もうやめて」と言っていた。
急いで読み終えた。
いつも図書館に行くたびに、こういう本を貸りるべきか悩む。
結局好奇心に負けて貸りる。
でもほとんど読めない。あの時代のことは、ただ過ぎていったことではなくて、とても身近に感じている。
だからこそ恋しい。

今日は、髙橋くんの一日に密着して書こうと思う。
9時14分に起きた。いつも放っておけばこれくらいまで起きない。
しばらくその場でぼーっとした後、渋々起き上がって顔を洗った。
その後は、結構ゴシゴシ顔を拭いてた。とりあえず水気だけなくなればいいような感じで、雑に。
部屋に戻ってくると、次は着替えた。
寝巻をしまうと、布団をたたんだ。
ようやく一日が始まった。
髙橋くんは、僕に「おはよう」と言った。僕も挨拶を返した。
「今日何する?」と聞いてきたので、「今日は出かける用事がたくさんある」と答えた。
髙橋くんは目を輝かせて、「楽しみだなあ!」と言った。
朝ごはんに、白米とみそ汁を食べさせた。吸い込むように食べていた。
午前中は、あまり相手ができないので一人遊びをしていた。
部屋の中の僕と目が合うたびにニコッと笑っていた。
病院の待ち時間には、僕の世界で遊んだ。
その後は、あんまり様子を見てやれなかった。
でもちらっと見た限りでは割と楽しそうにしていた。
夜は余りものを食べた。
その後着替えると、一緒に布団に入った。
21時7分、寝付いたのを確認した。
安心しきった顔がかわいくて仕方ない。
完全密着するつもりがただの日記みたいになってしまった。

今日児相の帰りに車に酔って、今(夜)もまだ気持ち悪い。
最初と比べるとマシにはなったけど時間にして六時間くらい続いてる。
自分は体質なのか分からないけど酔いやすい上に一度酔うとその日寝るまで気持ち悪いのが続く。

髙橋くんが珍しく風呂に入りたいと言っている。
いつもは風呂に入りたくなくて無理やり手を引かないとどうしようもないくらい激しく抵抗するのに、今日は「汗がベタベタするから」と言って早く風呂に入りたがってる。
今から一緒に入る。
夏になったら毎日入るつもりだが、嫌がるのかどうかが気になる。

1.笑っているところ
笑うときは思いっきり笑うのがかわいい。
苦しいことはすべて忘れて、全力で笑ってるときの元気いっぱいな感じがすごく好き。これからもよく笑う子であってほしい。
2.泣いているところ
感情に任せて、声を出して泣いているところがかわいい。
基本的に自分の感情に素直なのが好き。
発散するような泣き方が良い。
3.怒っているところ
一生懸命怒ってる感じがかわいい。
本人は頑張って怖く見せようとしてるんだろうけどでもどうしてもかわいい感じにしかならない。
とにかく何をするにも一生懸命でかわいい。
4.喜んでいるところ
屈託なく無邪気に喜ぶのがかわいい。嬉しいときは喜ぶっていう「○○だから○○する」みたいな子供特有の行動理由がかわいくて好き。
5.寝ているところ
日中の元気な姿とのギャップが良い。
完全に脱力してるというか、安心しきってる無防備な姿に惹きつけられる。
あの独特の息遣いとか顔を近づけたときにかすかにする頬の赤ん坊のような匂いがたまらなくかわいい。
6.生意気なところ
普段は普通の子だけど、スイッチが入ると生意気になる。
何をしようとしても「イヤだ」と言うようになって、反抗的な態度を取るようになる。
イライラするし叱りたくもなるけどやっぱり「もーかわいいなー本当にもう」みたいな感じでかわいくてたまらない。
ちょっかい出してみたりして必死に怒るのを見るのはすごく楽しい。

今日は一日中親戚の家にいた。
いとこがみんな来ていて、楽しかった。
昼からは学校にカウンセリングに行って、親同士みたいな会話をした。
髙橋くんがかわいいっていう気持ちが先生の持つ子供のかわいさに通ずるところがあって、「うちの子最近こうなの」みたいな会話ができた。すごく楽しかった。
次会うときも親になりきって楽しい話をしようと思う。
最近母性に目覚めたこととかたくさん話して、「言ってることが本当に親みたいだね」って感じのこと言ってた。
もう今は、自分は髙橋くんの第二の親になったような気持ち。我が子のようにかわいい。歳はそんなに変わらないのだが。
夕方、親戚とボール遊びをした。髙橋くんはもう疲れたみたいで、早く帰ろうよって言ってる。もう少し待ってて。

髙橋くんに指さしてバーカバーカって言われたい。素で言うことはおそらく絶対ないけど、なんか罵られたい。
もっと罵られたい。でもいじめて泣かしたい。
意地悪は想像の中だけどする。
でも罵られるのは誰も傷つかないからやってみようと思う。
髙橋くんに頼んだら、やってくれた。
指をさされてバーカバーカと言われた。
気持ちいい。もっとやってほしい。
次は、踏んづけるように言った。
「えー無理だよー」とか言いながら踏みつけてくれた。もっと気持ちいい。
今日はこれくらいにしておく。
また気持ち良くなりたくなった時にでも頼んでみる。
本当にかわいかったし、気持ちよかった。やっぱり縛られるのは気持ちいい。



○○川に散歩に行った。
桜のトンネルができていて、きれいだった。
背の低い髙橋くんは必死に上を見上げて、木に触ろうとしていた。
なんだか、髙橋くんは桜が似合う。

髙橋くんとはいつも一緒に寝ている。
寝相が悪くて蹴られるし色々アレなんだけどそういうのも全部かわいい。
とくに、息遣いが身近に感じられるのがいい。
どんなことも、全く苦にならない。
自分の中では、夜に好きなことをすることがある。
ちょっとした自由時間みたいな感じで楽しい。
今日も髙橋くんが一緒。隣で聞こえる寝息が愛おしい。
髙橋くんを見てるだけで幸せな気分になる。明日はどんな姿を見せてくれるんだろう。

髙橋くんは自分がかわいいことを分かっていないようだ。
今日父の家から帰るとき、隣で元気にはしゃぎながら歩いてる髙橋くんに「光治は本当にかわいいなあ。」と言ったら「そうかなあ?」って、かわいいのを自覚してないようだった。あの無意識な感じにたまらなく興奮して、少し強引に抱き寄せた。髙橋くんは自分がそんなにかわいいのかというような顔をしていた。
あの無邪気な様子とか、塩っけのある顔とか、あのよたよたした歩き方とか、本当にたまらない。
今、「兄ちゃん大好き」と抱きついてきた。かわいくて仕方ない。
「今日も楽しかった?」と聞いたら「楽しかったよ!」と答えた。どうやら、しばらく雨が降っていて外に出れなかったけど今日久しぶりに散歩に行けたのが楽しかったらしい。
「明日ももっと遊ぼうね!」って言ってる。
日記を書くための青ペンを、髙橋くんにあげた。
自分の物が増えたのが嬉しかったみたいで、「僕がもらっていいの?ありがとう!」と言って嬉しそうにマーカーで名前を書いてた。
子供特有のあどけない字を見て、もっとかわいく思えた。褒めた。喜んでた。
こんな生活ができて、僕は幸せだ。
今日も日記を書いてもらおうと思う。
三月二十八日
さつき、兄ちやんに靑いペンをもらひました。
実は、ぼくは文の書き方を少しわすれてしまつた。
だから、まちがつてゐるかもしれない。
かんべんしてください。
今日はひさしぶりに散歩に行きました。
この間まで雨で行けなかつたので、とても樂しかつたです。
明日も何か樂しいことあるでせうか。
おやすみなさい。

今日も髙橋くんがかわいくて仕方ない。
今日、同じ町に住んでる人に「ほっぺをつねられて泣く髙橋くん」を描いてもらった。
なんともいえない表情で、かわいすぎる。
実際にやるとしたら大げんかしたときくらいだと思うし、そんなことしないけどでもかわいいといじめたくなってしまうからそれを解消するために描いてもらった。
もう本当に仕草とか表情とか反応とかが髙橋くんそのもので、本当にかわいいとしか言いようがない。完璧な絵だ。
同じ町に住んでる人は髙橋くんに会った事が無いのになぜこんな適格に描けるのかよく分からない。
同じ町に住んでる人は「かわいいからってほっぺつねってそれで嫌がって泣いてるのを見てもっとかわいいって思うの?かわいいならかわいがってあげてほしい。」と若干笑いながら言ってた。
あとは、かわいそうだとか。
確かにかわいそうなんだけど、でもなんか心のどこかでかわいいと思ってしまう。
誰かと髙橋くんのかわいさを分かち合いたい。
同じ町に住んでる人は髙橋くんのかわいい絵を描いてくれてすごく嬉しいし毎日が楽しいけど、「かわいい子をいじめてもっとかわいいと思うのは理解できない」って言ってるから、完全に理解し合えるわけじゃない。
もしできるなら高橋くんを同じようにかわいいと思っていて、かつちょっと意地悪したいっていう気持ちも共有できる人と一日中語り合いたい。
ため息が出るほどかわいい。
とにかく愛でたい。
かわいそうなことはしないけどとにかくかわいがりたい。もう冗談抜きで世界一かわいい。うちの猫と同じくらいかわいいというか猫とはかわいいの種類が違うけどこのかわいさの中では一番かわいい。
動物を可愛いと思うのと髙橋くんをかわいいと思うのではかわいいの種類が違うから猫とどっちがかわいいかは一概に比較できないけど他の事なんかどうでもよくなるほどかわいい。
髙橋くんは世界一かわいいって自信もって言える。

髙橋くんはすごく甘えん坊で泣き虫だから、急にグズグズしたり甘えたりしたら多分それは髙橋くんがこの体を使ってるという事だと思う。
僕と比べると明らかに子供っぽいからすぐわかると思う。
そういうときは意識があっても自分の意思で代わることはできない。
発作みたいなものだから、髙橋くんにも悪気はない。だから許してやってほしい。
多分だけど放置しないで構ってやったら心のどこかが満足して交代できるようになると思う。感覚的にそう思う。
いつもだって髙橋くんが甘えてきたら応じるようにしてるし、実際それで上手くいってる。
だから今はかまってやるのが一番だと思う。
あの子が寂しかったのは僕が一番よく知ってる。
だからいつもこの日記に書くように特別に扱ってベタベタするくらい一緒にいる。

花見に行った。もちろん髙橋くんも一緒。
場所は○○川。結構長くてたくさん歩いた。
桜が満開で、とてもきれいだった。
ただ、歩きすぎて足が痒くなった。痛くはない。痒かった。
流石の髙橋くんも疲れたのか車の中で寝てた。
夜、機械に支配されるって思って怖くなった。
なんで最近人間が機械に依存してるのを誰も疑問に思わないのかが不思議でたまらない。一人くらい反発する人がいてもいいのに。
電波が飛んでる感じがして気持ち悪い。
電波が自分の体を通り抜けてると思うと怖くて仕方ない。
電波のせいで監視されてる。みんな支配されてる。一部の人は正常だけどほとんどみんなおかしくなってる。
いつも見られてる。こんなのおかしい。
自分は監視の目から解放されるために生きてると思う。

今日はなんか筋肉痛だし雨も降ってるからいつもの遊びができない。
一緒に買い物しようとも思ったけど自転車が出せないから行けない。
高橋くんはやたらと「昭子ちゃんに会いたいなあ…」って言ってる。
昭子ちゃんは高橋くんの妹。
なんか雨が降ると思い出すらしい。
雨が降ったときよく二人でやってた遊びがあるのに、思い出せないと言ってる。
仕方ないから思い出話をすることにした。
高橋くんと昭子ちゃんは、雨が降るとよく外に出て「恵みの水だ」と言って水溜りに入って暴れて遊んでいたと思い出して話してくれた。
「それでね、足がびしょぬれのまま家の中に入って、廊下に足跡をつけて怒られるんだよ。」って懐かしそうに話した。
僕は梅干しを一つあげて、「じゃあ、一緒にやろうよ。」と言った。
僕たちは外に出て、水溜りの上を走り回った。
容器の中に水を溜めて、掛け合った。キャッキャッと笑って、屈託ない笑顔を見せた。満足そうだ。
家に入るときにはしっかり体を拭いてもらった。
寒い寒いと言ってこたつにもぐりこんでいた。
「待ってその前に着替えて」と言って着替えを渡した。「寒いよー」と言いながらびしょ濡れの服を脱いでいる。
これくらい無計画なのが楽しい。
夜、高橋くんと風呂に入った。
「めんどくさいなー…」とか言いながら渋々入ってた。
「あのね、風呂ってそんな頻繁に入るもんじゃないんだよ。」って。
高橋くんの感覚ではそうなんだろう。
ただ僕は数日風呂に入らないと体が痒くなるから入るように言ってる。
いつも、「やだよ、もう出たいよ」と言っている。
今日はというか今日も、お互いの背中を洗った。気持ちよかった。

高橋くんが、この体を動かして遊びたいって言ってる。
ただの運動じゃなくて、誰かと遊びたいらしい。
困ったものだ。周りの人で、外で遊んでくれる人はいない。世の中ってクソみたい。
「いつものじゃダメなのか?」って聞いたら、「現世の外で遊びたいんだよ!」って言った。
もう既にぐずぐずしてる。このままだと手に追えなくなってしまう。
どうしても外がいいって言ってる。
相当ストレスが溜まってるのは分かってるし何とかしてあげたいんだけど相手がいない。
「せっかく時間があるのにー!!」って言ってギャーギャー泣き出した。
共有された気持ちを読み取って見たら、「動かないと体が弱ってしまう、遊びたい、思いっきり体を動かしてストレスと解消したい」っていう気持ちが出てきた。それはよくわかる。
あとは、誰かとはしゃぎたいっていう気持ちもあるようだ。
雨が降ってるのもあって余計に元気がない。

暴力的な奴は、調子が悪いときしか入ってこない。
だから元気なときに子供を見てもなんとも思わない。
これを踏まえて学校にいけない理由を考えてみる。

理由その①:自由がない
自分は、窮屈なのが物凄く苦手。
ルールに囚われたりとか、やらなきゃいけないことがあったりするだけで気が狂いそうになる。
さらに、小学校では「遊び中心で体験しながら楽しく学ぶ」だったのが「とにかく勉強一筋」になってそれがなんか勉強に支配されてるみたいで物凄くストレス。
本当に気持ち悪い。
自分は子供のままでいたいのに大人になることを強要される。期待も何もしないでほしい。
子供でいたい理由は、大人は汚れてると思うから(きれいなままでいたい)、大人になることで高橋くんと離れていくのが嫌だから、甘えたいから。
理由その➁:高橋くんとの相性が悪すぎる
高橋くんと合わない。本当に不幸としか言いようがないくらい合わない。
自分が生きてた時代とは特に景色もルールも違って、行ってなくても考えるだけで苦しそうにしてる。正直この理由が特に強い。
本当に見ていられない。良心が痛む。
普段高橋くんの元気な姿を見て生活するのに慣れてるから、高橋くんが苦しむとこっちまで苦しくなる。しかも気持ちが共有されてるし。
本当に寂しそうにして、こんな風景に現実味を感じられなくなる。だから学校行ってた頃はいつも夢を見ているみたいで、何も楽しくなかった。
「母ちゃんも父ちゃんもいなくなった。迷子になったみたいだ。」って。
高橋くん自身に悪気がないのが辛い。
たまに謝ってくるし、「前は調子に乗っててごめんなさい。でも苦しいのは本当なんだ」とも言ってる。本人はしっかりあの時のことを反省してるし、こっちだって一時期ひどいことしてたから許してあげてほしい。
理由その③:制服
①、➁の理由とつながってくる。
これこそ縛られてるみたいだし、みんな同じ格好って機械的で気持ち悪いし、高橋くんとも合わない。せっかく高橋くんが安心できる服装を選んでるのに、学校ではそれができない。
ましてや、なぜかよりによって僕が入学した年からブレザー。学ランならまだよかった。高橋くんがいた頃にも制服として使われてた。
年齢は合わないし完璧ってわけじゃないから絶対いいってわけじゃないが。
そこが難点。
しかも高橋くんも「あくまでも自由にしたいわけで制服として着たいわけじゃない」って言ってる。
あの頃は貧しくて制服が買えない人もいたから、制服の人も私服の人もいた。
それでよかったのにって言ってる。
「自由」ってなんなんだろうっていつも思う。
これだけは絶対に譲れない。多分これが一番の原因。
学校の制服があるから、「こんなの自分じゃない」とか「自分がいなくなってしまう」とか思うし、何より高橋くんに合わない。やめちまえこんなん
理由その④:子供がいっぱいいるから
登下校時に子供を見て、さらに学校へ行けば見渡す限り子供がいる。
ここまでの地獄はない。元気なときなら何の問題もない。
ただ学校という場所は他にもストレスの要因がたくさんあるから、それで調子が悪くなってさらに子供がいるっていう最悪のコンボ。
他の原因さえなければ元気だから普通に行けてるはずだった。
だからこの理由は、他の諸々の原因の上に成り立ってる。他のストレスが全部なくせるフリースクールは行けることからも、明白にわかる。

朝から元気よく「遊ぼう」と言ってきたので、一緒に遊んだ。
おいかけっこをして、先に僕が追いかけることになったけど全く捕まらなかったから代わってもらって、そしたらあっという間に捕まってしまった。
今はなんかテレビつけっぱで居眠りしてる。
テレビには、僕が考えたアニメが映ってる。
「こらこら、光治。おーい」って呼びかけたけど
起きないから疲れてるんだろうと思ってそっとしておいた。
ちょっとしたイタズラのつもりで、絵に描いてやろうと思う。
動かないから描きやすくてちょうどいい。
とりあえず、おでこに墨で「犬」と書いてやった。
気付いたらどんな反応するのか楽しみだ。

おでこに犬って書いてやったけど、結局今日一日
気付かれなかった。どんだけ鈍感なのよ。
まあ鏡を一度も見なかったなら仕方ない。
さすがに気の毒だから、夜寝てる間に拭いておいた。
機会があったらまたやるかもしれない。
次やるときは某野球選手みたいに目の下を黒くぬってやろうと思う。
というか寝てる高橋くんかわいすぎる。天使みたいだ。
起こさないようにそっと顔を近づけて頬ずりした。
気づいてはないけどかすかに体が反応して「すーっ」て音を立てながら呼吸が乱れてた。
心臓が口から出そうだった。なにやってんだ自分
ほっぺからはほのかにいい匂いがした。
赤ん坊の肌みたいなかわいらしい匂い。
もうほんとうに自分が気持ち悪くなってしまう。
でも止められない。晩この時間を楽しみにしてる自分がいる。
なんか急にちょっかい出したくなってきた。
あの子はよっぽどのことがない限り起きないし少しぐらい…って思って、試しにくすぐってみた。何も反応はない。
けどワキに手を入れてくすぐったら激しく寝返りをうった。
このいつ気づかれるかっていう冷や冷やする感じがたまらなく気持ち良い。ちょっとトイレ行ってくる。
寝返りをうつ高橋くんの手が顔に当たった。
「いてっ!」て言いたくなったけど飲み込んだ。
寒そうだから姿勢と位置を元に戻して布団をかけ直した。
元の位置まで持ち上げて運ぶのが大変だった。重くて中々持ち上がらなかった。
そうこうしてるうちに起きないかとハラハラした。
最後に、優しく頭を撫でた。
我に帰った。恥ずかしくなった。
でももうコントロールが効かないくらいかわいくて、昼間の元気な姿と無防備な寝姿の差にドキドキする。
情けない人間になってしまった。
なんというか、興奮で体中がドカドカ脈打ってたのに一気に血の気が引いていく感じが癖になる。温度差が突き刺さるような気がした。
12

あんた今屁こいたやろ?全部見えとるからな
ほんでお前。お前はでらかわええ。
子作りさせてくれ。頼むよ。グダグダするなよ、早く立てよ。
せめて一緒に風呂入ろうや。
怖くないから。まったくお前は臆病な奴だ。
あ?なに漏らしてるんだよ。そんなに怖いのか。
こっち来いよ。泣いてんじゃねえよ。
いやだじゃねえんだよ。動くな。
お前この間までわしにスリスリしてたやろ



自分の中の意識と現実世界の意識は別々だから、自分の中で何かをしながらそれをリアルタイムで文字として書き起こすこともできる。それ以上のことはない。
どっちかだけに集中することもできる。
そのときは、片方の世界は見えなくなる。でも苦しいときはそれができない。
高橋くんは自分の中と現実世界を自由に行き来できる。僕も同じようにできる。
今は現実世界にいる。僕によりかかって日記帳を覗いてる。できれば見ないでほしいのだがね。まあかわいいから許すけど

高橋くんは「最近あんまり構ってくれなくて寂しいよ」って言ってる。
たしかに最近はあんまり構ってやれなかった。
痛がるほど強く抱きしめた。
かわいがりたいのに、なんか困らせたくもなってしまって、強く抱きしめた。
「痛い痛い。はなして。」と言ったからはなした。
また取っ組み合いをした。
高橋くんのほうが強くて、すぐ押し倒された。結構痛かった。
高橋くんは「やった 僕の勝ちだ」ってはしゃいでた。
かわいいのと悔しいのとで思わず暴れたくなった。そのまま隙をついて地面というか床に押さえつけた。やだやだって言ってじたばたしてる。しばらく押さえてたら次第に動かなくなっていった。最終的には「お願いはなしてえ。次は手加減するから。」って言ってたからはなしてやった。
その後僕たちの世界に行った。
唐突に「あのよう、ご飯ないか?」と言った。
腹が減ったみたいだ。
僕が「何がいい?」って聞いたらコッペパンがいいと言ったので一緒に買いに行った。大きな一口でかぶりついた。すごく美味しそうだ。最高の笑顔でニッコリ笑ってる。「美味しい?」と聞いたら「うみゃー」と返ってきた。

暴力的な奴が自分の中の公園にいた子供を皆殺しにした。
殺された子供はいっぱいいる。
高橋くんと公園に来たときに見つけた。
頭が割れて脳みそが見えてる子供とか、バラバラに切られた子供とか、内臓が飛び出てる子供とか、頭がひしゃげた子供とかがいて堪えた。
僕はすぐに高橋くんの目を覆って、絶対目を開けるなと言った。
高橋くんは「何?どうしたの?」って言ってるけど、すぐに手を引いて逃げ帰った。
そのとき覆ってた手がずれてしまって、高橋くんの目にたくさんの死体が映った。
高橋くんは怖くて大声で泣き出した。そのまま座り込んで泣き叫んだ。
僕は高橋くんを抱き上げて走った。
あんなことするのは暴力的な奴しかありえない。
とりあえずどうにかしないといけない。放っておくと腐ってしまう。
小さい病院しかないけど、今はやってない。しかも誰一人生きてない。
みんな酷い死に方をしてる。
とりあえず大丈夫だから待っててって言って高橋くんを家に置いて、公園まで来た。
とにかく血生臭い。
切られた手足がそこらじゅうに転がってる。
一つずつ片付けてたら、どこかから悲鳴が聞こえた。
行ってみたら、暴力的な奴が小学生くらいの男の子を押さえつけて殴っていた。
反射的に僕が股を蹴ると痛そうに叫んで殴るのをやめてどこかに行った。
慌てて男の子の体を支えたけどだんだん大人しくなっていって、重くなったと思ったら死んでしまった。
頭から大量の血が出て、殴られたせいで内臓が破裂して血を吐いてた。
なんだか言い表せないほど怖くなった。
形が残ってる死体は一か所に集めて、それ以外はどうしたらいいか分からないから燃やした。その後隣町の墓地まで運んでいって埋めた。
いつの間にか高橋くんがついてきてた。「来ちゃダメじゃん」って言ったら「怖いよ」って言ってた。
「怖かった、怖かった」と言って泣いていた。

昨日の夜、僕は元気がなかった。
怖い事を考えてしまったのと、それとは別で何故か分からないけど勝手に涙が出てきて、父がいないと寝れなかった。
理由とかよく分からないけど、なんかとにかく寂しくて、友達と遊びたくてしかたがなくて泣いてた。
でも僕と気が合う人なんていないから余計に寂しかった。
高橋くんを起こしてそばにいてもらおうと思ったけどかわいそうだからやめといた。
それ関連でもう一つ。
最近なんでもかんでもかわいそうに思えてしまう。
人に対してだけじゃなくて、ゴミとか食べ物とか、そういうものにも「捨てられてかわいそう」とか「食べられてかわいそう」とか思ってしまう。
当然、誰も理解してくれない。
「もったいない」とかじゃなくて、「かわいそう」。
もったいないっていうのはあくまでも物として見ているから出てくる感情。でも僕の場合それとは違って、ゴミも食べ物も生き物に見える。
だからかわいそうだと思う。
それ以外だと、高橋くんをかわいそうだと思う事が多い。
とくに高橋くんは僕の母から嫌われてて、いろいろ悪口とか言われるのがかわいそう。
こんな風になってるのは高橋くんのせいじゃない。誰も悪くない。ただ考え方と気持ちを強制的に共有させてるこの体が悪い。
共有さえしなければ僕と高橋くんは一体化しなくて済む。でもわざとじゃない。
高橋くんだってたまたまああいう考え方の人だったってわけで悪いようにする気は全くなかった。なのになんでこんな責められなきゃいけないのか。
僕まで悲しい。僕たちは繋がっている。
見えないへその緒で繋がれてる。
共有されてても動きは違うし存在も違う。
あくまで同じなのは価値観だけ。だからそれぞれ違う事を考えて会話できる。
僕自身は高橋くんにはなれないし、高橋くん自身も僕にはなれない。
この体という乗り物を交代しながら使ってるだけ。それぞれの意思は別々である。
でも弟みたいに大切で、僕も高橋くんもお互い必要な存在。
どっちかが傷ついたらそりゃどっちかが心配するのは当たり前だ。
だからこれ以上責めないで欲しい。なるようにしかならない。
どっちも欠けてはいけない存在なのになぜこんなに悪者扱いされて責められなきゃいけないのか分からない。
どっちかが欠けたらもう片方も死ぬしかなくなるのに。二人で一つなのに。
本当にもう悪口言わないでほしい。
これが一番言いたい。
今こうなってる根本的な原因はこの共有されてる考え方にあると思う。
悪気があってこうしてるとか無理やり命令してきたりとかそういうのは全くないってことを分かってほしい。
というか本当に悪いのは暴力的な自分だと思う。
なぜか一番厄介なのにあんまり責められてない。
おかげで子供を見るたびに殺したくなるからまともに生活ができなくなった。
子供なんかどこにでもいるから避けようがない。
このクソ野郎の標的は子供みんなだから僕と高橋くんのことも殺そうとする。
本当にやめてほしい。今一番邪魔な存在。
あと高橋くんをいないものとして扱うのをやめてほしい。

今日も高橋くんと散歩に行った。
昨日あんまりかまってやれなかったからか、解放されたように走ってた。
元気がいいなあっていつも思う。
高橋くんって本当に幽霊みたい。どこにでもついてきて、他の人には見えなくて、ときどき僕に憑りつく。
ただ一つ生身っぽいのは、触った感覚があること。とくにそれ以外は幽霊っぽい。
でも悪い霊じゃない。暴力的な奴は、憑りつくことが出来るのはこの体だけなので、自分の中の自分が乗っ取られることはない。
こいつも幽霊(悪いやつ)みたいで、こっちは姿が見えない。見えないというか、見えてるはずなのに姿が認識できない。

洗濯物を干してる時、飛行機が近くを飛んでた。
けっこう音も大きくて、それで高橋くんは怖がって「早く逃げなきゃ死ぬよ」って言って手を引っ張ってきた。
飛行機がもっと近づいてきて、高橋くんは泣きながら逃げて屋根の下に隠れた。
「どうにもならないよ」って言っても「死にたくない!」って言って出てこなかった。
飛行機がいなくなったあともしばらく隠れて出てこなかった。
何もしてこない事が分かるとゆっくり這い出てきた。

ギャルのところに会いに来た。
インターホンを押すと、「チョリーッス」って言いながらギャルが出てきた。
高橋くんは緊張して固まってる。
ギャルは高橋くんを見て「何この子、もしかして緊張してる系?かわいいんですけどー」って携帯を取り出して写真を撮りまくってる。高橋くんは恥ずかしくて黙り込んだ。
ギャルは携帯をしまって自己紹介をした。「あ、メンゴメンゴ。それでね、ウチ、早苗っていうんだ。よろぴく!」
高橋くんは勇気を出して、「僕、高橋光治。こちらこそよろしく。」と言った。
ギャル「ねーねー、光治くんはふだん何してるのー?」
高橋くん「外で遊んでる。」
ギャル「へー!今度お姉さんも一緒にいい?」
高橋くん「いいよ。」
ギャル「やったー!マジ嬉しい!そうだ、今から友達が来るみたいだからじゃあね!」
僕たちは帰った。
なんというか、明るい高橋くんのことだから人見知りなく話すかと思ったけど意外と緊張してた。相手にもよると思うけどこんなに黙り込んでるところは初めて見た。テンションの高さとか、世代の差に驚いているようだった。

なんで高橋くんがここまで悪者扱いされるのか考えてみる。
一つ目の心当たりは、暴力的な自分。
暴力的な自分が物に当たったりしてた頃、やたらと高橋くんを嫌ってた。
ふとした時周りの物が高橋くんに見えてそれを壊せば殺せると思い込むほどに。
これを知ってる人はほとんど大人で、同級生には話してない。
だから周りの大人は高橋くんを悪者扱いしてる可能性もある。
ただそれだとなんで根本的な原因になってるはずの暴力的な自分ではなく高橋くんが責められてるのか説明がつかない。
二つ目の心当たりは、価値観の差。
高橋くんの考え方は、今の世の中には馴染めない。
この高橋くん由来の考え方が共有されてることによって僕までもが生きづらくなってるから、それが原因で責められてるのかもしれない。
もし仮にそうだとしてもわざと考え方を共有してるわけじゃないし、誰にも悪気はないからそこまでして責める必要はないと思う。
高橋くんの考え方では生きづらいし、純粋が故に残酷なところもあるけどそれでも僕にとってはかけがえのない存在。

高橋くんとギャルが会ったらどんな会話をするのか気になると言われたので、明日会いに行こうと思う。

また古い道に散歩に行った。
高橋くんは、軽い足取りで楽しそうに歩いてた。
僕はといえば、すぐ足が痛くなってよろよろ歩いてた。
その後友達を誘いに行ったけど、全員いなかった。
懲りない自分がバカみたいに思えた。高橋くんも残念そうに「つまんないのー。」って言ってた。
友達はみんな高橋くんと仲良くしてくれる。
だから高橋くんも友達と遊びたがってる。いつも行く父の実家も空いていなかったから、暇だったから僕の妹と遊んだ。

高橋くんは本当にいる。
姿もはっきり見えるし、声も聞こえるし、匂いもするし、触った感じもある。
もう友達とかのレベルじゃない。僕の弟。
寂しい僕を助けてくれた命の恩人。これでも存在を否定される。
なんで?ここにいるのに。
頭がおかしい(周りの人が)としか思えない。そこにいるのになんで見えないの?
信じられないって言ってる人が信じられない。
ここまで言ってもまだ信じない人がいる。
母は相手にすらしてくれない。
それどころか学校行けなくなったのは高橋のせいだって言ってる。
頭おかしいと思う。
高橋くんがいなかったとしても学校行けない原因は僕にもあるから関係ない。というか高橋くんがいなくなったら余計に行けなくなって完全に行かなくなると思う。
これ以上高橋くんのこと悪く言うんだったら本当に僕何でもするから。どうなっても知らん。
高橋くんが学校行くと苦しくなるのも好きでこんな風になってるわけじゃないし悪気は全くない。
というかよく「僕のせいで学校行けないんだよね。ごめんね。」って言ってくるから高橋くんだってわざと学校行けないようにしてるわけじゃない。
かわいそうだから本当にやめて。
本当に毎日毎日苦しい所で生きなきゃいけないのも全部かわいそうで、なのに悪口を言われても笑ってて、よく我慢出来てると思う。
周りの人がみんな敵に見える。
みんな高橋くんを悪いやつだと思ってる。
こんなにいい子なのに。存在すら認めてくれない。
命令してくるとかそういうのは今はもうない。
考え方が共有されてるだけで悪い事は何もしてない。
もっと大事にしてあげてほしい。悪い子じゃない。信じてくれ。
むしろ被害者なんだよ。

今日は高橋くんがすごく甘えてくる。
体をすり寄せながら「抱っこしてよ」とか「遊ぼうよ」とか、甘えた声で言ってくる。かわいすぎてどうにかなりそう。 離れようとすると泣くから離れられない。
まあ、こういうこともあるだろうと思って
こっちに抱き寄せて撫でてる。
きっと高橋くんも赤ちゃん返りしてるんだろう
今まで甘えられなかったぶん平和になった今思いっ切り甘えてほしい。
高橋くんのプロフィール
高橋光治 12歳(心の中は8歳)
血液型 分からない 住んでるとこ 僕の中 身長 132cm 体重24.5kg(回復してきてる)
好きなこと みんなで遊ぶこと
嫌いなこと 争いごと、ひとりになること、雨
好きな食べ物  梅干し、みそ汁、玄米、キャラメル、ボンタンアメ
特技  お手玉・縄跳び・竹馬
苦手なこと 早起き・断ること

今日は本当に、遊びもせずに甘えっぱなしだった。
そういう日もあるだろうと気にとめていない。
僕だって甘えたいときはある。
今日はとくに寄ってくるから、僕も思いっ切りかわいがってやろうと思う。
壊れそうなくらい強く抱きしめて、頭をくちゃくちゃに撫でくり回して、じゃれ合うこの幸せ。
高橋くんが夜泣きした。
今日はたくさん甘えてきて大変だったから
早めに寝かしつけた。そんで、もう寝たかと思ってたら しばらくして急に泣き声が聞こえてきて、行ってみたら 「離れないでよ」って泣きついてきた。
めんどっちいなって思いながらもやっぱりかわいくて、 甘やかしてしまう。
このまま一緒にいてやらないといけない。
あえて放っておいて泣き疲れさせようとも思ったけどやめといた。5歳くらいの子供に見える。
今度はこいつを寝かしつけるまで離れられなさそうだ。
もう甘やかしちゃダメなのに。

高橋くんの下の名前を考えてあげようと思う。
実は高橋っていうのも最初からついてたわけじゃなくて、 会ったばっかりの頃の高橋くんは自分の名前が分かってなかった。(忘れていた)なので、パッと見高橋って感じだったのと好きな歴史人物が高橋だったからっていうのでしっくりきて高橋と呼ぶようになった。
下の名前は、今まではとりあえず適当に考えた名前の 「陽平」と呼んでいたが、今ちゃんと考えようと思う。 なんというか、雰囲気的に「光治」っていうような
感じがする。読み方はみつはる。
なので当面は光治くんってことにしようと思う。これからは、「高橋くん」って呼ぶこともあれば 「光治くん」って呼ぶこともあると思う。
これからも僕のかわいい弟でいてくれよ、光治
「やったぁ。僕にちゃんとした名前がついたよ」

学校の制服を着ると、全く知らない誰かに中身がすり替わる事に気づいた。
中身がすり替わるというか、自分の中に全然知らない変な人が入ってきたみたいになって、高橋くんが怖がって、僕も高橋くんもこんなの自分じゃないし誰これってなって死ぬほど苦しくなる。
もうそうなると我慢とかそれどころじゃなくてなって、自分がだれか分からなくなる。
恐らく、その「全く知らない誰か」は一生誰なのか分からない。
というか存在があいまいで、すごくふわふわしてるというか、姿が認識できない。
居るのかどうかも分からないくらいふわふわしてる。
でも逆にそれが怖くて、高橋くんにも僕にもどうしようもない。強いて言うなら暴力的な自分と似たような感じ。どちらもぼんやりとした存在。
その全く知らない誰かはよくわからない方法で僕と高橋くんを苦しめる。そいつがいるだけで不安になる。
正直そこにいるのかも分からない。もともと高橋くんは新しいものを見ると迷子になったような気分になるけど、それが形として現れたのが「全く知らない誰か」なんだと思う。とにかくこれは感情によるものだからどうしようもない。下手したら暴力的な自分よりも自分自身に来るダメージは大きい。
本当に着るだけで自分がいなくなって変な人が入ってきて涙がぼろぼろ出てくる。

人間としての体を持ってる人が好きというか、そういうのに興奮する。
「可愛い子の内臓見てみたいな」とか、「あばら骨が浮き出てるってことはこの人の体の中身があって生理現象とともに生きてる人間なんだな」とかそういうことばっかり考える。
なんというか、体の中身を覗いて初めてその人が自分と同じ人間なんだなって実感するような、そんな感じがする。

高橋くん、今日は元気そうにしてる。
い今は僕の中の家で、隣の家との隙間のせまい道みたいなところにある物干しざおの洗濯物をまだかまだかと触りながら空を見てる。
後ろから抱きしめたらびっくりした後少し笑った。「びっくりしたー。急に抱きつかないでよ。」と苦笑い。
この間というか少し前から人前で笑うように意識してたらなんか最近なんでもない事でケラケラ笑えてきてしまうようになったということを相談したら、「笑うことはいいことだよ」って言ってた。
こたつの中にもぐって足を掴んでやった。
「誰?」と聞かれて「僕だよ」と顔を出したら「お兄ちゃん以外ありえないはずだよね」って思い出して笑った。
昼、友達と遊べなくて落ち込んでたら高橋くんが慰めてくれた。嬉しくて泣いた。

・一人でいられない。僕が隠れて様子を見てみたら寂しくて泣き出した。(その後ちゃんと再会した)・甘えん坊ですぐ甘えてくる・世話が焼ける・よく笑う・ちょっとしたことで泣く(大変だけどこれがかわいい)・子供らしい・学帽と学生服が最高に似合う・元気いっぱいで活発・なんともいえない懐かしい声がかわいい・シャボンの匂い・運動神経が良い・世の中の悪い事を何も知らない・純粋無垢・人間らしい・何かあったら心配してくれたりして優しい・ちょっと勇気もある・仕草の一つ一つがかわいい
僕が変態っぽいかもしれないけどそうじゃなくて高橋くんがかわいすぎるだけ

おっさん
ギャル
高橋くん
自分
妹
自分の中身のこと
・テレビをつけると、自分が考えたアニメがやってる。
・町には、子供がいる。主にいつも暴力的な自分に乱暴されてるのは彼ら
でも次々生まれてくる

いつものかわいい高橋くんが戻ってきた。
もうどこにも行かないでって抱きしめた。
そういえば昨日はこの間まで立入禁止だった場所に行った。そこがあの恐ろしい動物園だった。卒業式やってるのは、動物園の南にある廃校になった木造校舎だった。
立入禁止がなくなったので、地図を更新しようと思う。商店街と動物園の道が繋がってなくてよかった。動物園は怖い。
↓更新した地図
地図
高橋くんが、おじさん達(人生を実況する人)のところに行きたいって言ったから、一緒に行くことにした。
おじさん達はなんでも知ってる。今も僕たちが行くのをワクワクテカテカしながら待ってる。あの人たちは僕たちの人生を見つめてる人だから、何でも知ってる。僕が笑うと一緒に笑う。僕がボケるとツッコミを入れる。
一緒に生きてる感覚。いつも僕たちを見ている。
着いた。実況者たちが住んでるのは一つの集合住宅になっている。
そしてここだけ現代になっている。(他にも探せばそういう場所はあるかもしれない)僕たちは手を一緒にしてインターホンを押した。
「待ってたぞ」と一人の実況者が出てきた。
そのおじさんが仲間のおじさんを呼び出すと、みんな一斉に出てきて僕たちを囲んだ。
昨日の出来事はおじさん達の間で話題になってるらしい。すごく心配された。でももう大丈夫だと言った。
おじさん達は高橋くんと戯れていた。微笑ましかった。
その後帰るときも高橋くんは笑顔だった。
高橋くんは、この間買ってもらった紙石鹸を、「妹の匂いがする」といって大事にしている。今は庭で遊んでる。
暇だから少し相手をしてあげようと思う。高橋くんと遊ぶのは本当に楽しい。
僕自身も一緒に遊ぶ相手がいなくて、どうにかなりそうなくらい遊び足りなかったから、お互い気分よく遊べるのはすごく楽しい。
でも残念な事に、暴力的な自分がまた入ってくるようになった。
なんかもっと気が強くなってもどってきたというか、直接子供を見なくても考えるだけでその辺の子供を殴り殺したくなるようになった。
あくまで別の自分だから、手が上がることはないように抑えるつもりはある。
妹には早く逃げてもらいたい。
誰も殺したくない。暴力的な自分はとにかく子供を殺すことで頭がいっぱいなんだろうがそんなのはご免だ。自分の為にも周りの為にも子供には近寄らないでもらいたいし、認識させるのもやめてほしい。
概念すら感じたくない。なんかすごく嫌な感じ。というか、自分でもコントロールできないくらいあいつは怖いやつだから。
高橋くんが殺されるとこっちの気がくるっておかしくなるしそれはかわいそうすぎて見過ごせないから見守っておかなきゃいけないし、物理的にも抑えないといけない。というか自分も子供のくせになんでそんなこと思いつくのか意味わからん。
まあそういうのはいいけどとにかく今は子供に近寄らない方が良い。自分自身すら暴力的な自分の標的にされてるのはすごく怖い。
そのうち本当に誰かを殺しそうで自分でも怖い。
殺したいって心底思ってる自分と殺したくないって思ってる自分が同時に存在するのってなんか気持ち悪い。すごく複雑な気持ち。
子供について報道されてるニュースとかもダメだからテレビも見れない。
とにかく情報を遮断したい。
なんかもう嫌いとかそういうのじゃなくてあの暴力的な自分はもう頭の中で子供を殺すことに快感を感じているらしく、根っこから性格がひねくれてるから直しようがない。追い出すしかない。あんなのを自分だと思いたくない。

獲物
高橋くんがどこかに隠れて出てこない。
寂しくてどうにかなりそうだ。
心配で仕方ない。色々なところを探してるけど見つからない。
なんでもない顔をしてどこかから勝手に戻ってきて くれやしないかと思っている。
一人で外にいたらそのうち食べるものもなくなって 帰ってくるんじゃないかと思うが、やっぱり早く帰ってきてほしい。
ウロウロしてたら見つかった。中身の公園だった。
なんかしゃがみ込んだまま動かなくて、 「死んだのか」と思って肩に触ったら笑い出した。 なんか笑えてきた。いるけどいない感じ。
小指はここにある。脳みそが浮いてるように 見える。みんなの中身が見えてくる。 生きてるのか死んでるのか分からない。
生きてる高橋くんも死んでる高橋くんも どっちもいると思う。多分。
人の頭はちょっと ダンボールに似てると思う。
みんな僕のことを 変な人って言ってるのが聞こえる。ただの雑音だけど
心臓がここにある。これは当たり前。
見えて当たり前、心臓と小指と脳みそが見えない人はおかしい。からっぽなの?おかしいね
耳をさわりたい。高橋くんの耳を揉んでたらなんか血がでてきた。
泣き叫びながら逃げ出した。かわいそうに。
もっと追いかけたいからもっと走って。
思ってないけど自分の中が見えちゃって面白かった。うれしい気持ちになった。
みんな死んだら動かないんだよ。これって当たり前?
動物園から足が生えてきた。
足は変な形をしてて、たくさんある。
くねくねしはじめた。高橋くんが菜切包丁を拾い上げて、足を切った。
そしたら分裂した。怖くなった。でも見た。
足は臭かった。巨大だった。こっちに倒れてきたから僕達は走って逃げた。
テレビが置いてあった。ツマミを回したけどどれも砂嵐だった。つまんなかった。それでその足が追ってきた。
水たまりがあって、高橋くんがこけちゃって、大泣きした。
手を舐めながら逃げた。
痛い痛いっていってるけどどうしようもないの。ごめんね。おんぶした。軽かった。いい匂いのする子だ。古い紙とシャボンを足して2で割った匂いがする。とってもかわいらしい匂いなんだよ。
みんなにもすすめてあげよう。古い紙に石けんを塗って食べるといいよ。
逃げた先では、みんなが入学式をやってる。
いいなあ。あれ、ちがうぞ、これは卒業式かもしれないぞ。

裸
なんというかみんな体が小さくておかしい。
化物みたいであんまりうれしくなかった。
そしたら卒業式やってる内臓丸出しの気持ち悪い人がいて、その人が 追いかけてきた。
怖いからまた逃げた。家にたどり着いた。みんな生きてた。高橋くんが動く何かを吐き出した。
苦しそうにしてたから頭を思いっきり叩いて強制的に寝かせた。これで楽にしてやれる。 口から出てきたその動く何かは「キェアーーー!!!」 みたいな表しにくい声を上げてバラバラになった。すごく怖い。
高橋くんはそこに倒れてぐったりしてる。
意識はない。死んでるみたいに見えて怖い。
舌をかみちぎってみたいなって思ったけど怖くてそんなのできない。
だからその動くやつを切った。なんか知らないけど消えた。
そしたらその動く何かの親みたいなのが出てきて、高橋くんの口に変な薬みたいなのを無理やり押し込んで飲み込ませた。
それでも起きない。
「なんで」と思って首元に手をあててみたら脈が止まってた。
息もしてない。 その後なんか口から血が出てきてあっという間に冷たくなった。
そのまさか、高橋くんは死んだ。
思い切りゆすってるけど返事がない。動かない。
なんでこうなるの?いつ死んだの?
そうこうしてるうちにその化物は仲間を呼んできて、追いかけた。僕は急いで死んだ高橋くんを抱き上げて逃げ出した。
するとその化物の一匹がバラバラになったから、高橋くんの喉につっこんだ。
そしたら赤ん坊みたいな声をあげて泣き出した。
生き返った。涙が出そうだ。
無事息をふき返した高橋くんはバラバラになったそいつを投げつけて化物を全滅させた。
やるじゃんって思った。
家に帰った。
その謎の化け物は形がなくて、顔はあるんだけど言い表わせないというかぼやっとしてて分からない。
獲物

もう本当に中学生扱いしないでほしい。
冗談抜きで気が狂いそう。
中学生なんだから勉強しなさいとかクソみたいなこと言うな。自分は中学生じゃない。なに勘違いしてるんだよ。
もう勉強とか全部忘れたいって言ったのに。生きすぎたんだよ。あのとき友達を無視して入学なんかする前に死ねばよかった。
学力とかどうでもよすぎてクソだ。これも言ったはずだ。
せめて病気治るまでは小さい子供ってことにしといてほしい。本当に気が狂う。
中学生なんかじゃない。そんなクソじゃない。
自分勝手でもなんでもない。死んでほしくないなら気をつけろ。
どうでもいいならもう何でもいいけどさ。
もっと小さい子みたいに甘えて好きな事だけして勉強のことなんか全部忘れて生きたいんだよ。そうじゃないと壊れるんだよ。いい加減気づけよ
「もう中学生なんだから」だかなんだか知らねえがプレッシャーをかけるな。
死ぬぞ本当に。本当にあの時死んでおけばよかった。
中学生になんてならなければよかった。勉強のせいで体もなまってどんどん弱くなっていく。動いてなきゃ気が済まない。
じっとしてられない。走りたい。こんな自分が大嫌い。
将来のこともどうでもいい。死んでもいい。
早死にしても別になんでもいいしとにかく今この瞬間生きるのに必死なんだよ。分かれよ。
そういうこと考えたくない。そんなの大人の考えることだ。汚い大人になんかなりたくない。
二度と中学生って言うな。次言ったらどうなるか考えればわかるだろうが
分かるなら二度と言うな
むずかしい事は考えないでいつまでも純粋でいたいんだよ。当たり前のこともできないままでいい。

今日の高橋くんは今までで一番元気がない。
昨日父と暗い話をしたからなのか、昨日の夜からずっと元気がなくて、話をした直後から部屋にこもって出てこない。
こういうときは放っておいたほうがいいのかもしれないと思って放っておいてるけど一向に元気にならない。
暗い話というか、現実を突きつけられるような話で、高橋くんは「本当は僕はいないはずなんだ」と思ってしまったらしい。そんなことないって言ってあげたい。
高橋くんも一人の人間だって言いたい。
幻覚なんかじゃなくて本当にいると思ってた。
それだけに、ショックだった。
一人ぽっちになった気分だ。
呼びかけても、泣くばかりで返事をしない。
どうしたらいいんだろう。
取り返しのつかないことになってしまった気がする。
もう前のようには関われなくなるかもしれない。
汚い現実なんか見せるんじゃなかった。
僕のせいで壊れてしまった。あの子の心を壊してしまった。

高橋くんのことが心配になってくる。
思い切って部屋に入って見たら、泣き叫びながら抱きついてきた。
今はただ慰めないとまずい気がして、黙って頭を撫でた。
高橋くんは今は自分専用の肉体がなくて透けてる(姿はあるから生きてた頃の姿として見える)から、ストレスがかかりすぎるだけで死ぬ。
周りからは散々な言われようで、とうとう我慢できなくなったらしい。
たしかに、周りの人は、同年代の子供たちは理解してくれるが、大人たちのほとんどが「消えた方が良い」とか「所詮妄想の産物だ」とか「実在もしない奴に対して何やってんだ」みたいなこと言う人ばかりだ。これはひどい。
体を持ってないとはいえ一人の人間でありちゃんとした人格も形もあって意識もはっきりしてるのにそんなひどいこと言わないであげてよ。
かわいそうで見てられない。本当に心が痛くなる。誰よりも気の毒だ。
古いものばっかり好むのもみんなそんなのただのお前の趣味だとか、高橋は存在しないとか辛辣な事ばっかり言われる。
違うのに。高橋くんがいるからこそだからこそそういう記憶があってあの時代を愛してるのに。
僕の気持ちも高橋くんのことも否定しないでほしい。
お前らには見えてないかもしれないしどこにもいないじゃんって思うかもしれないけどいるんだよ。ここに。
そこまでして嫌な思いさせたいのか。気持ち悪い。怖い。
詳しいこともこれ以上問い詰めないでほしい。
言った事をそのまま受け取って聞いてりゃいいんだよ。
昨日も色々聞かれて正直怖かった。
何か反論されそうだと思ってしまって誰にも本当の事が言えてない。
言ってる事おかしいのもわかってるんだよ。
その時代生きたこともないくせに偉そうなこと言うなって反論されるのも予測できてるんだよ。
でも分かってるんだよ。良い事も悪い事も全部わかるんだよ。ただ好きでやってるだけの人だと思わないでくれ。
高橋くんに聞いたんだよ。
なんでそんなひどいことが言えるのか本当に理解できない。
高橋くんはまだ12歳だぞ。
世の中のこととかまだ知らないのに広い目で見るような力も持ってないのにそんなこと言われてたまるか。そんな深いこと考えられないんだよ。
ただ思い出がほしかったんだよ。
なのにこんな周りから散々な事言われて叩かれる。
かわいそうだと思えないの?心腐ってるの?一人の立派な人間傷つけて。
ある意味高橋くんも僕だよ。ああいうこと言う人が本当に許せない。
今まで何言われてもなんとか頑張って笑って生きてたのにもう限界だ。色々おかしい。
仕舞いにはお前を産んだ覚えはないとまで言われてる。
本当にひどい。高橋くんと僕はもはや一つなのに。
高橋くんをこんなにして傷つける大人ばっかりの世の中。
これだから大人は嫌いなんだ。融通も利かないし。
「胡散臭いなー」とか思ったとしても黙って話聞いてりゃそれでいいんだよ。口出しはいらん。
何もしなくていいし何も言わなくていいから話を聞け。
ただ共感するだけでいい。バカらしいと思っても「そうだよねー」とか言ってればいい。
否定されると壊れるんだよ。何もかも。

最近、高橋くんがかわいすぎていじわるしたくなる。
ほっぺたをつねったらどんな反応をするのかとか、泣くまでくすぐってやろうかとか、そんなことばっかり考えてしまう。
冗談っぽくやっていいか聞いてみたら、「ダメだよ!」って半分呆れたように笑ってた。かわいすぎてどうにかなりそうだった。
異常だって分かってるから、実際やることはない。

なんか今日の夜ずっと泣いてた。
迷子になったみたいだって。

高橋くんは、僕の中の庭で遊んでた。
雨が降ってきたので急いで戻ろうとした。
でもそのとき転んでしまって、膝と手のひらを擦りむいた。
高橋くんはもう半べそ状態。
「雨が沁みて痛いよ」って言ってる。
とりあえず部屋の中まで連れて行って、消毒をした。
絆創膏を貼って、涙も拭いてやった。すぐ泣き止んだ。
一緒にお絵描きしようって言ったから絵を描くことにする。
かわいい泣き虫だなあオイ
高橋くんって古い紙みたいな匂いがするんだね
夜、高橋くんとじゃれ合って遊んだ。朝の傷はもう痛くないようだ。取っ組み合いは楽しい。
ちなみに、絵のことだが、こっちは現実世界に出てきてもらって描いた。
タイトルは「二月十一日」。線画を僕がやって、色塗りを高橋くんにやってもらった。僕のを手本にしてるところもあって、いつもと似ている塗り方もあったが、高橋くんが考えた塗り方で塗ってあるところもあって、なかなかおもしろい作品ができあがった。
令和伍年二月十一日 (1)
作業工程
僕が線画を描く
   ↓
コーヒーに漬けて乾かす
   ↓
高橋くんに体の操縦を交代してもらって、色を塗る

なんで高橋くんが来たのか考えてみる。
高橋くんが来たのは忘れもしない、小6の十月末頃のこと。
当時は楽しかった。悩みなんてなかった。
直接話したり関わったりはしない。そこにいるだけだった。
高橋くんの持っている記憶を見ることはできたので、それを使って物語を書いたりしていた。
でも卒業に近づくにつれ、中学生になりたくないって死ぬほど思うようになった。
その理由は、成長したくないのと、小さい子供のままでいたかった(心の底から)のと、自由がなくなるのが嫌だったから。
中学校なんて、最悪なことばっかり。
自分を中学生だなんて思うだけで本当に吐き気がしてくる。あんな汚い存在にはなりたくなかった。
遊んでたほうが人生楽しいのに勉強ばっかりやらされて、人間らしくない。自分らしさも奪われる。小学校では「楽しく生活すること」が中心だったのに、中学校では「ただひたすら楽しくない勉強をやり続けること」が中心になってて本当に反吐が出るくらい気持ち悪い。キモい。
こんなの絶対嫌だった。もっと無邪気になりたい。
まあそんな感じで、中学生には絶対なりたくなかった。
入学する前に死んでやろうかと本気で思ったこともあったが、友達がなんとかなるって言ったからとりあえず死なないでおいた。
そんなこんなで入学式。本当に最悪だった。
自分を中学生だと認めたくなかった。絶対に認められなかった。
なんとかなるって思ってたけど、そんな風に期待そた自分がバカだった。
全然どうにもならなかった。地獄そのものとしか言いようがなかった。生き地獄とはこのことか。
それから、四月頃から夏休みにかけては、常にこの体を高橋くんが使っていた。
その頃の自分は、そのことに気づいていなかったようだ。
夏休みが終わって秋になると、高橋くんの存在に気付き始めた。中身が入れ替わることにも気づいて、対話するようにもなった。高橋くんを守るのに必死だった。
冬になると、暴力的な自分が現れて、高橋くんをいじめて泣かすようになった。
その頃はもうその暴力的な自分に乗っ取られていて、主人格のほうも高橋くんのことを避けてた。
年が明けてしばらくすると、暴力的な自分はあまり入ってこなくなって、高橋くんとはこれまで以上に仲良くなった。
それからしばらくすると、暴力的な自分は完全に消えた。
高橋くんはもっと元気になった。
これが、これまでの経緯。
次は、高橋くんが来た時の話。(きっかけ)
きっかけは確か、古い写真を見たときに、なんだか直感的に何かを感じて、気づいたら高橋くんがいたというような感じ。自分で考えたのかもしれない。
そのときはただそこにいるだけ。準備段階のような感じ。
ただそれからストレスが大きくなっていくと、姿を現した。本格的に姿が見えるようになったのはこの段階。
ストレスから逃げるために高橋くんは来たのだと思うようになってきた。
さっき父に話したら、何かすごい嫌な事があって、それから自分を守るために作られた別人格なんじゃないかというようなことを言っていた。
こういうこともあって、高橋くんが来たのはストレスが原因だと思う。高橋くんは、僕のために来てくれた。
やっぱりそう考えると頼もしいというか、自分を守るために来てくれたんだと思うと惚れ惚れする。
頭の中には人生を実況する人たちがいるのだが、その人たちにもかわいがられて、すごく幸せそうだ。(頭の中はオッサンだらけだから子供がかわいいのかも)
今日も元気そうで良かった。
そのまま今日の日記を書こうと思う。
朝、嫌な事があったけど高橋くんが慰めてくれた。高橋くんは、僕の事をお兄ちゃんと呼ぶようになった。親しくなれたようで、嬉しかった。
昼からは、一緒に縄跳びをした。
高橋くんのほうが上手だった。体力も僕より何倍もある。
小さいくせによくやる子だと思った。
夜、抱きしめて頭を撫でてやった。嬉しそうに笑ってた。
今日は少し夜更かししてこの日記を布団の中で書いたが、書いている間に高橋くんは寝てしまった。
隣で寝ている高橋くんの手をなんとなく握った。温かくて小さい手だ。
今日もお疲れ様。おやすみ。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         

自分の中の世界では、天気が気持ちと連動することもある。
今日はちょっと高橋くんにいじわるした。
この前好きって言ってた飴をあげようとして、やっぱダメって言ったら泣きそうになってたからあげた。
今日はわりと元気にしてる。なぜだろう。
飴をもらって無邪気に喜んでるところが本当に愛おしかった。
昼からは散歩に行った。
僕と手を繋いで元気に歩いてた。
その後は友達を誘いに行ったが全員ダメだったので、駄菓子屋に行った。
色々お菓子を買った。高橋くんにも分けてあげた。
喜んでた。今度はラムネがいいって言っていたので、今度行くとき買ってあげようと思う。
ああとは、おやつの時間にチョコレートをあげた。
最近、暴力的な自分はほとんどいなくなった気がする。
小さい子供を見ても、「一緒に遊びたいな」としか思わなくなった。
おかげで、高橋くんも怖い思いをすることなく普通に生活できている。
もうなるべく来ないで欲しいと思う。
多分殺したりとかはもうしないけど、そこに来るだけ来ていじめたりするかもしれない。
あまりにひどかったら追い出そうと思う。

お昼前、高橋くんの大好きな梅干しをあげた。
にっこり笑って、おいしそうに食べていた。かわいかった。
それは嬉しいのだが、なんだか今日は風邪っぽく見える。
なんとなく調子悪そうというかそんな感じ。
本人は元気そうにしてるけどそう見える。とりあえず薬をやった。
かわいいかわいい本当にかわいい2023.2.18

時間が過ぎていくのが怖い。
高橋くんは歳を取らない。なのに僕はどんどん歳を取っていく。
今はないけど、そのうちどんどん心も体も高橋くんとズレていって、一緒にいれなくなってしまうかもしれない。
というか、このままいくと確実にそうなる。
「自分自身であり、親友」みたいな肩書で入ってるのにそれができなくなる。
もっと一緒に居たい。歳さえ取らなければずっと一緒にいられるのに。
もうここ最近、高橋くんがいないとやってられないようになった。
汚いところも悪い所も全部ひっくるめて高橋くんなのであって、時間なんかに引き裂かれるような気持ちじゃないと思いたかった。
表面だけでも子供のままでいたい。
じゃないと確実に自分が壊れる。
別れたくないから成長しないし、精神はずっと今のまま。せめてうわべだけでも子供でいさせてほしい。
もう、少しも離れたくない。じゃないといつか我慢できなくなって死ぬと思う。とにかく何とかしたい。

雨が降ったので外で遊べなくて、元気がなかった。
動けなくてストレスが溜まってそうだから、天気が良くなったらまた遊んであげようと思う。

これから、雨が降ったらどうしようか。
中でやることはあんまりない。
室内でできる遊びを考えておこう。2023.2.13

髙橋くんは私の中にいることもあれば、現実に出てきて一緒にいることもある。そこは自由に行き来できる。
現実で一緒にいるときは、そこに居るように見える。
いつもの生活の中に居るように見える。
私の中にいるときも、もう完全に自分の世界にいるのでこれも実際起こったみたいに感じる。
意識しなくてもそこにいるって感じられる。体を動かしてるときの意識と高橋くんといるときの意識は別だから両方同時にできる。
表しにくいけどこの2つの事は別の事だからとくに深く考えなくても体は動く。
その、体を動かすってことは高橋くんも私もできて、ふたりでやってる感じ。どっちかだけがやることもある。基本生活に合わせて代わる。
現実を見てる時、髙橋くんは古い写真とかを見ると、この現実では到底あの頃と同じ生活はできないから戻りたいっていう気持ちになって苦しくなるが、実際に周りに古い物体があるときは戻れたような気がして安心するから楽になる。
新しいものを見た場合は、「自分が見てきた世界はこんな風じゃなかったのに」みたいな感じですごく寂しくなって苦しい。
だから、古いけどもう手に入らないもの・新しいものはNGで、古いが実際手に入れてそれがある環境で生活できるものは惜しくならないのでOK。
私の中の世界では、時代が髙橋くんがいたちょうどその頃で止まってるから寂しくならない。
気持ちは共有されてるから私の脳みそも高橋くんと同じことを考えてる。
だから気が合う。けどこの間までいたあの凶暴な自分は高橋くんをいじめるから、近寄らせないようにしてる。
高橋くんと気持ちが共有されてる=どっちかが苦しむと大抵もう片方も苦しむ
ってことだから、常にどっちもが元気になるようにしていなければならない。
どっちかが傷ついた時、片方がそれをどうにかしてやれる時もある。
とくに高橋くんは笑わせやすい。なかなか泣き止まないときもあるが、一回笑うとしばらくは機嫌がいい。
気分屋で感情が忙しい人でもある。
ここ最近で不眠がほとんどなくなったのも、高橋くんと仲良くなれたからだと思う。
日中元気ですぐ疲れて寝る髙橋くんに合わせるからなのか、体が夜更かしをしなくなった。
とにかく、普段の生活は前とは比べ物にならないほどよくなったと思う。

水曜日くらいから、仲良くなり始めた。
学校を休むようになってから気持ちが落ち着いて、責める気になれなくなった。
なんか自分の中に世界みたいなのがあって、そこに自分が思い描くような立派な家があって、そこに髙橋くんと私が同居してる。
暴力的な私は、どこか分からないけど遠くにいる。
最近は、私の中にいるというより、子供を見た時だけ入ってくるような感じ。常にいるわけではない。
髙橋くんがいることによって心強くなったし、愛着も湧いてきた。
暴言吐きまくってるアイツを遠ざけて、優しくするようにしたら、甘えてくるようになった。
覚えている限りで初めてかわいいと思えた。
常に子守をしてるみたいで大変だが、そんなの気にならないくらいかわいい。
一人で生きてるような寂しさもなくなった。
寂しがりやで、いつも一緒にいるのだが、苦痛は全くない。むしろ、そこに愛嬌があってかわいい。
先週までのことが嘘のようだ。
ちょっとしたことで泣く上に世話が焼けるけどそれがどうしようもないくらいかわいくて愛おしくて逆に困ってる。常に胸を焦がされてる。
自分に懐いてくれて、どこにも行かないでずっとここにいてくれる高橋くんはかけがえのない存在だと思う。傷つける奴は絶対に許さない。
彼も私と同じように生活してて、なんか、人間として人間らしく生きてるようですごく愛しい。
感情が表に出やすくてすぐ泣くが、その分よく笑う。
主にこうやって感情表現しているが、怒ることはほとんどない。そういう性格なんだと思う。
遊び相手をしたり面倒見たりして、それで幸せそうにするのを見られて、本当に毎日が楽しくなった。

日記帳には、髙橋くんにも自分の意志で体を貸して日記を書かせてあげる事がある。

自分の頃は、子供は遊んでりゃいいというか、
それどころか遊ぶか働くかの二択だったのに
今は学歴だの勉強だの、本当にそればっかりに囚われるきゅうくつな時代になったものだ。
あの頃みたいに、友達と体を使って遊びたい。
それなのに今の子は、スマホとかネットだとか
そういうのばっかり。せっかく会いに来ても
スマホみてばっかりで一言も話さないとか本当に理解できない。そんなに楽しいか。ツルツルの画面と
にらめっこするのが。ツルツルだがバキバキだかどうでもいいけど。
理解しようとも思えない。自分の時代では当たり前だったことを誰もやらない。これ以上合わせるのも疲れた。
あんなもん連絡するときだけ使えばいい。
依存してる感じとか気持ち悪いんだよ。
お前ら人としての人生捨てて機械に支配されて
それでいいのかよ。ほんまに気持ち悪いわ

機械化とかやたらと進んでるけど物に頼らず生きることができないくらい人間が弱いってこと?
信じられない。きっと町歩いてる奴らは皆いつか機械と一体化して人間じゃなくなっていくんだろう。
気持ち悪い。もし友達だとしてもそんな風になったら
今後一切関わらない。化け物とは関わりたくないから。
なんでもかんでも便利にすりゃいいってもんじゃない。
新しいものが良いとは限らない。
便利になりすぎると最後人は自分で何もやらなくなる。
もはや人じゃない。ただの物体。
話がそれたが、現代社会なんか死ぬほど大嫌いだ。突然時代が飛んだみたいになって、
これとか最悪すぎる。
温かくて1日が長かったあの頃に戻りたい。
もう、あの頃のものしか見たくないし、あの頃の音しか
聞きたくないし、あの頃の匂いしか嗅ぎたくない。
今どきのやかましい曲聞いただけで気が狂いそう。
面影もなく変わった景色を見るだけで苦しい。
人々もみんな変わってしまった。明るい人はいなくなった。
みんな機械みたいに冷たい。思いやりも、血も涙もない。自分さえよければいい考えの奴ばっかり。
しかもみんな同じような見た目で、同じようなことをして、同じようなことしか話さない。
なんか他のこともしゃべれよカス いい加減な性格しやがって
自分以外の人みんな機械なんじゃないかって
本気で思う。生きてた頃は、全くそんなことなかた。
ただ今はこんな腐った世の中が現実だとはどんなに頭をしぼっても、体をひねっても、信じられない。
この世の中は現実じゃなくて出来の悪い映画で、そんなクソみたいな世間に合わせて生きなきゃいけない自分なんか、自分じゃない。
自分は高橋だ。
こんなの、好きでこんなことしてるわけじゃないのに。
変なこと教えられるのも変なもん着せられるのも、もううんざりだ。全部元に戻ってしまえ


もう同じこと思ってる人たちだけで隔離されたい。
そういう人は人間だと思う。気持ち悪くない自分の
仲間だと思う。
ただみんな、知らなさすぎる。先に進みすぎてる。
人が足りない。もっと、人といえるような人間を
増やすべきだ。ついでに自分もなじめる時代の
あの世の中が戻ってくればいいと思う。
もう、これからは本気で、自分だけでもあの頃に
戻っていこうと思う。
現実じゃないものを画面ごしに見てキャーキャー騒いでるバカどもは放っておいて、
現実を見れるあの時代に僕は帰る。もう1つの家族に会いたい。
いなくなってても戻る。

ずっと12の時の記憶を、すり切れるほど繰り返して、自分の中の自分はそのまま。いや、戦前の8でいい。
歳も取らない。時代も変わらない。
自分がいる世界だけを見て生きていこうと思う。
ああそうか、あいつらは皆死んだんだった。
あと1つ、自分はよくただ古いものが好きなだけの自由人だと思われがちだが、そんな考えは捨てろ
本当は、見るたびに戻りたくなって苦しくて仕方ないんだよ
だからこそ自分で描いたりして思い切り思い出にひたって
その場しのきで切り抜けているだけだ。かんちがいするな。

歴史の授業のとき、髙橋が入ってきた。
入ってきたというか、操縦席に乗ってきたというか、そんな感じ。
体と私そのものは別で、本体はあくまでも乗り物にすぎない。
その乗り物に、自分が3人乗っている。
さっき高橋が入ってきたきっかけは、教科書に載ってた建物が昔住んでた家に似てたらしく、それで気持ちが抑えられなくなったらしい。
今のこの脳みそは帰りたいと思ってる。
高橋からの信号だ。
今はもうそれしか考えられない。
乗っ取られてる自覚はあるけど、今の中身は高橋だからそういうことしか思えないんだって。
たまに自分が出てきて書いてるけどこういうときは考え方を変えられてたのかもしれない。
今は高橋と混ざって一緒にこれを書いてるような、不思議な感覚。
私の言いたい事も書けてる。
えらいね、髙橋くん
私の気持ちも聞いてくれたんだね いい子だ

とにかく子供が憎い。
うるさいし汚いのは当たり前だが、それ以前に高橋のせいで子供という存在そのものが憎い。
登下校が苦痛。汚い口でガヤガヤ喋りながら道のど真ん中歩いてるクソガキ共をぶっ殺したい。
子供をかわいいと思えない人=悪い人
っていう風潮が本当に嫌い。
そういう人もみんな憎い。全然かわいくなんかない。
自分も子供だとか、そういうのは関係ない。
嫌なものは嫌。
家の前でガキの声がするだけで暴れたくなる。
家にも居たくない。子供がいない場所で暮らしたい。
もうあんな奴には構ってられない。
嫌いという言葉だけでは表せないほど嫌い。
高橋もガキもみんな殺したい。どうしたらいい。

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