朝から元気よく「遊ぼう」と言ってきたので、一緒に遊んだ。
おいかけっこをして、先に僕が追いかけることになったけど全く捕まらなかったから代わってもらって、そしたらあっという間に捕まってしまった。
今はなんかテレビつけっぱで居眠りしてる。
テレビには、僕が考えたアニメが映ってる。
「こらこら、光治。おーい」って呼びかけたけど
起きないから疲れてるんだろうと思ってそっとしておいた。
ちょっとしたイタズラのつもりで、絵に描いてやろうと思う。
動かないから描きやすくてちょうどいい。
とりあえず、おでこに墨で「犬」と書いてやった。
気付いたらどんな反応するのか楽しみだ。

おでこに犬って書いてやったけど、結局今日一日
気付かれなかった。どんだけ鈍感なのよ。
まあ鏡を一度も見なかったなら仕方ない。
さすがに気の毒だから、夜寝てる間に拭いておいた。
機会があったらまたやるかもしれない。
次やるときは某野球選手みたいに目の下を黒くぬってやろうと思う。
というか寝てる高橋くんかわいすぎる。天使みたいだ。
起こさないようにそっと顔を近づけて頬ずりした。
気づいてはないけどかすかに体が反応して「すーっ」て音を立てながら呼吸が乱れてた。
心臓が口から出そうだった。なにやってんだ自分
ほっぺからはほのかにいい匂いがした。
赤ん坊の肌みたいなかわいらしい匂い。
もうほんとうに自分が気持ち悪くなってしまう。
でも止められない。晩この時間を楽しみにしてる自分がいる。
なんか急にちょっかい出したくなってきた。
あの子はよっぽどのことがない限り起きないし少しぐらい…って思って、試しにくすぐってみた。何も反応はない。
けどワキに手を入れてくすぐったら激しく寝返りをうった。
このいつ気づかれるかっていう冷や冷やする感じがたまらなく気持ち良い。ちょっとトイレ行ってくる。
寝返りをうつ高橋くんの手が顔に当たった。
「いてっ!」て言いたくなったけど飲み込んだ。
寒そうだから姿勢と位置を元に戻して布団をかけ直した。
元の位置まで持ち上げて運ぶのが大変だった。重くて中々持ち上がらなかった。
そうこうしてるうちに起きないかとハラハラした。
最後に、優しく頭を撫でた。
我に帰った。恥ずかしくなった。
でももうコントロールが効かないくらいかわいくて、昼間の元気な姿と無防備な寝姿の差にドキドキする。
情けない人間になってしまった。
なんというか、興奮で体中がドカドカ脈打ってたのに一気に血の気が引いていく感じが癖になる。温度差が突き刺さるような気がした。
12