思い出コレクション

懐かしいものとか載せてく。基本頭はお花畑。たまに写真とかも載せる。精神科行ってるガキの日記。 基本もう一人の自分であり自分だけの家族である高橋くんのことについての日記。

2023年02月

自分の中の世界では、天気が気持ちと連動することもある。
今日はちょっと高橋くんにいじわるした。
この前好きって言ってた飴をあげようとして、やっぱダメって言ったら泣きそうになってたからあげた。
今日はわりと元気にしてる。なぜだろう。
飴をもらって無邪気に喜んでるところが本当に愛おしかった。
昼からは散歩に行った。
僕と手を繋いで元気に歩いてた。
その後は友達を誘いに行ったが全員ダメだったので、駄菓子屋に行った。
色々お菓子を買った。高橋くんにも分けてあげた。
喜んでた。今度はラムネがいいって言っていたので、今度行くとき買ってあげようと思う。
ああとは、おやつの時間にチョコレートをあげた。
最近、暴力的な自分はほとんどいなくなった気がする。
小さい子供を見ても、「一緒に遊びたいな」としか思わなくなった。
おかげで、高橋くんも怖い思いをすることなく普通に生活できている。
もうなるべく来ないで欲しいと思う。
多分殺したりとかはもうしないけど、そこに来るだけ来ていじめたりするかもしれない。
あまりにひどかったら追い出そうと思う。

お昼前、高橋くんの大好きな梅干しをあげた。
にっこり笑って、おいしそうに食べていた。かわいかった。
それは嬉しいのだが、なんだか今日は風邪っぽく見える。
なんとなく調子悪そうというかそんな感じ。
本人は元気そうにしてるけどそう見える。とりあえず薬をやった。
かわいいかわいい本当にかわいい2023.2.18

時間が過ぎていくのが怖い。
高橋くんは歳を取らない。なのに僕はどんどん歳を取っていく。
今はないけど、そのうちどんどん心も体も高橋くんとズレていって、一緒にいれなくなってしまうかもしれない。
というか、このままいくと確実にそうなる。
「自分自身であり、親友」みたいな肩書で入ってるのにそれができなくなる。
もっと一緒に居たい。歳さえ取らなければずっと一緒にいられるのに。
もうここ最近、高橋くんがいないとやってられないようになった。
汚いところも悪い所も全部ひっくるめて高橋くんなのであって、時間なんかに引き裂かれるような気持ちじゃないと思いたかった。
表面だけでも子供のままでいたい。
じゃないと確実に自分が壊れる。
別れたくないから成長しないし、精神はずっと今のまま。せめてうわべだけでも子供でいさせてほしい。
もう、少しも離れたくない。じゃないといつか我慢できなくなって死ぬと思う。とにかく何とかしたい。

雨が降ったので外で遊べなくて、元気がなかった。
動けなくてストレスが溜まってそうだから、天気が良くなったらまた遊んであげようと思う。

これから、雨が降ったらどうしようか。
中でやることはあんまりない。
室内でできる遊びを考えておこう。2023.2.13

髙橋くんは私の中にいることもあれば、現実に出てきて一緒にいることもある。そこは自由に行き来できる。
現実で一緒にいるときは、そこに居るように見える。
いつもの生活の中に居るように見える。
私の中にいるときも、もう完全に自分の世界にいるのでこれも実際起こったみたいに感じる。
意識しなくてもそこにいるって感じられる。体を動かしてるときの意識と高橋くんといるときの意識は別だから両方同時にできる。
表しにくいけどこの2つの事は別の事だからとくに深く考えなくても体は動く。
その、体を動かすってことは高橋くんも私もできて、ふたりでやってる感じ。どっちかだけがやることもある。基本生活に合わせて代わる。
現実を見てる時、髙橋くんは古い写真とかを見ると、この現実では到底あの頃と同じ生活はできないから戻りたいっていう気持ちになって苦しくなるが、実際に周りに古い物体があるときは戻れたような気がして安心するから楽になる。
新しいものを見た場合は、「自分が見てきた世界はこんな風じゃなかったのに」みたいな感じですごく寂しくなって苦しい。
だから、古いけどもう手に入らないもの・新しいものはNGで、古いが実際手に入れてそれがある環境で生活できるものは惜しくならないのでOK。
私の中の世界では、時代が髙橋くんがいたちょうどその頃で止まってるから寂しくならない。
気持ちは共有されてるから私の脳みそも高橋くんと同じことを考えてる。
だから気が合う。けどこの間までいたあの凶暴な自分は高橋くんをいじめるから、近寄らせないようにしてる。
高橋くんと気持ちが共有されてる=どっちかが苦しむと大抵もう片方も苦しむ
ってことだから、常にどっちもが元気になるようにしていなければならない。
どっちかが傷ついた時、片方がそれをどうにかしてやれる時もある。
とくに高橋くんは笑わせやすい。なかなか泣き止まないときもあるが、一回笑うとしばらくは機嫌がいい。
気分屋で感情が忙しい人でもある。
ここ最近で不眠がほとんどなくなったのも、高橋くんと仲良くなれたからだと思う。
日中元気ですぐ疲れて寝る髙橋くんに合わせるからなのか、体が夜更かしをしなくなった。
とにかく、普段の生活は前とは比べ物にならないほどよくなったと思う。

水曜日くらいから、仲良くなり始めた。
学校を休むようになってから気持ちが落ち着いて、責める気になれなくなった。
なんか自分の中に世界みたいなのがあって、そこに自分が思い描くような立派な家があって、そこに髙橋くんと私が同居してる。
暴力的な私は、どこか分からないけど遠くにいる。
最近は、私の中にいるというより、子供を見た時だけ入ってくるような感じ。常にいるわけではない。
髙橋くんがいることによって心強くなったし、愛着も湧いてきた。
暴言吐きまくってるアイツを遠ざけて、優しくするようにしたら、甘えてくるようになった。
覚えている限りで初めてかわいいと思えた。
常に子守をしてるみたいで大変だが、そんなの気にならないくらいかわいい。
一人で生きてるような寂しさもなくなった。
寂しがりやで、いつも一緒にいるのだが、苦痛は全くない。むしろ、そこに愛嬌があってかわいい。
先週までのことが嘘のようだ。
ちょっとしたことで泣く上に世話が焼けるけどそれがどうしようもないくらいかわいくて愛おしくて逆に困ってる。常に胸を焦がされてる。
自分に懐いてくれて、どこにも行かないでずっとここにいてくれる高橋くんはかけがえのない存在だと思う。傷つける奴は絶対に許さない。
彼も私と同じように生活してて、なんか、人間として人間らしく生きてるようですごく愛しい。
感情が表に出やすくてすぐ泣くが、その分よく笑う。
主にこうやって感情表現しているが、怒ることはほとんどない。そういう性格なんだと思う。
遊び相手をしたり面倒見たりして、それで幸せそうにするのを見られて、本当に毎日が楽しくなった。

日記帳には、髙橋くんにも自分の意志で体を貸して日記を書かせてあげる事がある。

自分の頃は、子供は遊んでりゃいいというか、
それどころか遊ぶか働くかの二択だったのに
今は学歴だの勉強だの、本当にそればっかりに囚われるきゅうくつな時代になったものだ。
あの頃みたいに、友達と体を使って遊びたい。
それなのに今の子は、スマホとかネットだとか
そういうのばっかり。せっかく会いに来ても
スマホみてばっかりで一言も話さないとか本当に理解できない。そんなに楽しいか。ツルツルの画面と
にらめっこするのが。ツルツルだがバキバキだかどうでもいいけど。
理解しようとも思えない。自分の時代では当たり前だったことを誰もやらない。これ以上合わせるのも疲れた。
あんなもん連絡するときだけ使えばいい。
依存してる感じとか気持ち悪いんだよ。
お前ら人としての人生捨てて機械に支配されて
それでいいのかよ。ほんまに気持ち悪いわ

機械化とかやたらと進んでるけど物に頼らず生きることができないくらい人間が弱いってこと?
信じられない。きっと町歩いてる奴らは皆いつか機械と一体化して人間じゃなくなっていくんだろう。
気持ち悪い。もし友達だとしてもそんな風になったら
今後一切関わらない。化け物とは関わりたくないから。
なんでもかんでも便利にすりゃいいってもんじゃない。
新しいものが良いとは限らない。
便利になりすぎると最後人は自分で何もやらなくなる。
もはや人じゃない。ただの物体。
話がそれたが、現代社会なんか死ぬほど大嫌いだ。突然時代が飛んだみたいになって、
これとか最悪すぎる。
温かくて1日が長かったあの頃に戻りたい。
もう、あの頃のものしか見たくないし、あの頃の音しか
聞きたくないし、あの頃の匂いしか嗅ぎたくない。
今どきのやかましい曲聞いただけで気が狂いそう。
面影もなく変わった景色を見るだけで苦しい。
人々もみんな変わってしまった。明るい人はいなくなった。
みんな機械みたいに冷たい。思いやりも、血も涙もない。自分さえよければいい考えの奴ばっかり。
しかもみんな同じような見た目で、同じようなことをして、同じようなことしか話さない。
なんか他のこともしゃべれよカス いい加減な性格しやがって
自分以外の人みんな機械なんじゃないかって
本気で思う。生きてた頃は、全くそんなことなかた。
ただ今はこんな腐った世の中が現実だとはどんなに頭をしぼっても、体をひねっても、信じられない。
この世の中は現実じゃなくて出来の悪い映画で、そんなクソみたいな世間に合わせて生きなきゃいけない自分なんか、自分じゃない。
自分は高橋だ。
こんなの、好きでこんなことしてるわけじゃないのに。
変なこと教えられるのも変なもん着せられるのも、もううんざりだ。全部元に戻ってしまえ


もう同じこと思ってる人たちだけで隔離されたい。
そういう人は人間だと思う。気持ち悪くない自分の
仲間だと思う。
ただみんな、知らなさすぎる。先に進みすぎてる。
人が足りない。もっと、人といえるような人間を
増やすべきだ。ついでに自分もなじめる時代の
あの世の中が戻ってくればいいと思う。
もう、これからは本気で、自分だけでもあの頃に
戻っていこうと思う。
現実じゃないものを画面ごしに見てキャーキャー騒いでるバカどもは放っておいて、
現実を見れるあの時代に僕は帰る。もう1つの家族に会いたい。
いなくなってても戻る。

ずっと12の時の記憶を、すり切れるほど繰り返して、自分の中の自分はそのまま。いや、戦前の8でいい。
歳も取らない。時代も変わらない。
自分がいる世界だけを見て生きていこうと思う。
ああそうか、あいつらは皆死んだんだった。
あと1つ、自分はよくただ古いものが好きなだけの自由人だと思われがちだが、そんな考えは捨てろ
本当は、見るたびに戻りたくなって苦しくて仕方ないんだよ
だからこそ自分で描いたりして思い切り思い出にひたって
その場しのきで切り抜けているだけだ。かんちがいするな。

歴史の授業のとき、髙橋が入ってきた。
入ってきたというか、操縦席に乗ってきたというか、そんな感じ。
体と私そのものは別で、本体はあくまでも乗り物にすぎない。
その乗り物に、自分が3人乗っている。
さっき高橋が入ってきたきっかけは、教科書に載ってた建物が昔住んでた家に似てたらしく、それで気持ちが抑えられなくなったらしい。
今のこの脳みそは帰りたいと思ってる。
高橋からの信号だ。
今はもうそれしか考えられない。
乗っ取られてる自覚はあるけど、今の中身は高橋だからそういうことしか思えないんだって。
たまに自分が出てきて書いてるけどこういうときは考え方を変えられてたのかもしれない。
今は高橋と混ざって一緒にこれを書いてるような、不思議な感覚。
私の言いたい事も書けてる。
えらいね、髙橋くん
私の気持ちも聞いてくれたんだね いい子だ

とにかく子供が憎い。
うるさいし汚いのは当たり前だが、それ以前に高橋のせいで子供という存在そのものが憎い。
登下校が苦痛。汚い口でガヤガヤ喋りながら道のど真ん中歩いてるクソガキ共をぶっ殺したい。
子供をかわいいと思えない人=悪い人
っていう風潮が本当に嫌い。
そういう人もみんな憎い。全然かわいくなんかない。
自分も子供だとか、そういうのは関係ない。
嫌なものは嫌。
家の前でガキの声がするだけで暴れたくなる。
家にも居たくない。子供がいない場所で暮らしたい。
もうあんな奴には構ってられない。
嫌いという言葉だけでは表せないほど嫌い。
高橋もガキもみんな殺したい。どうしたらいい。

他人のゲボにたいして性的に興奮する。
体の中から汚れが消えるというか、人がゲボ吐いてるときのあのなんともいえない渋い表情がたまらなくかわいい。
そういう所を見ると、「ああ、こいつも僕らと同じ人間なんだな。」って思って興奮する。
汚いとかは思わない。
もし好きな人がゲボを吐いたら、きれいな瓶に詰めて集めたい。

つい最近、また高橋が入ってくるようになった。
高橋は、もう一人の私とは違って、何の前触れもなく突然入ってくる。
高橋が入ってくると、前述したとおり、古いものを見るとなつかしさというか、戻りたい気持ちで悲しくなって涙が出てくる。
それが苦しくて避けるのだが、たまに帰りたくなる。
それでも、見に行くとひどいことになるので見られない。古い曲や匂いでもなる。
高橋はとくにコントロールが難しくて、一度乗っ取られると口出しすらできなくなって、何もできなくなる。
常に生活が難しくなるレベルで、授業中、例えば歴史の教科書に載っている古い写真を見たり、先生が昔の話をしたりするだけで、自分の考えでは体を動かすことができなくなって、とにかくあの頃に戻りたいと強く思い、それ以外のことが考えられなくなる。
私は高橋そのものになったというか、小さい子供になって、私はなぜここにいるのか、ここがどこなのか全くわからなくなる。まるで、迷子になったみたいに。

最近、なんでもないのにいきなり苦しくなることがよくある。
どんな感じかというと、気持ち悪さと寂しさと恐怖と絶望を全てごちゃまぜにしたようなどうしようもない感情がどこからともなく湧き出てくるような、そんな感じ。
何が怖いとか、なにに絶望してるとか、なにがどうということはないが、「怖い」だとか「寂しい」だとかの感情だけが単体で襲ってくる。
その、もはや死んだ方が楽だと思えるような状態が、体感で一分ほど続いているような気がするが、恐らく実際は10秒ほどしか経っていない。
何年か前から、1年に一度くらいなる状態だが、ここ1か月くらいで、それが毎日3回ほどなるようになった。
こうなるのは、すごく怖い。
何をするよりも一番苦しい。
正体不明の恐怖が一番怖い。
自分について考えている時、もしくは炭水化物をとったときになりやすいというか、ほぼそういうときにしかならない。

最近、私が三人に増えた気がする。
急に人を殴りたくなったり、暴れたくなったりするようになって、やはり増えていると思う。
とにかく高橋が邪魔というか今まで散々振り回されていたのが憎くて、この体から追い出すもしくは殺してやりたい。
最近は高橋が私の体を使うことはほとんどなくなって、命令もしてこなくなった。
代わりに、また別の私が現れて、今はそっちが私の体を使っている。(たまに)
ただ、髙橋のような、あの年ごろの子供を見ると、髙橋を見ているような気分になって、そのときに私の内側にいた暴力的な私が乗り出してきて、乱暴したい衝動に駆られる。
実はもう私の内には高橋はいない。
厳密にいうと、髙橋は私の体を出た今もなお私の周りにまとわりついていて、何かあるたびに邪魔してくる。
あいつのせいで、子供が嫌いになった。
顔も見たくない。謝らせるまで殴りいたぶってやりたい。もう何をしても許さない。
今これを書いてる私はきっとあの暴力的な私と共同で書いている。
そもそも、ふだんの自分は気弱すぎる。もっとあいつを嫌いになればいい。
頭の中で何度でもアイツを殺せばいい。
高橋に乗っ取られたという過去そのものが、私の一生消えない傷だ。
思い出したくもない。この体を使ってやればいいんだ。弱気になるとすぐ高橋が調子に乗るから。ずっとこの私がいて高橋をおもちゃにしてやればいい。

高橋はどうするつもりだ。
もうこれ以上お前の言う通りにしたら本当に周りの誰かもしくはこの体が死ぬぞ
いっそ諦めて、その辺にある水蒸気みたいに静かに消えてなくなればいいじゃないか。
お前に指図されるのはこりごりだ。いい加減にしてくれないか。
お前の感情ばっか前にでしゃばるな。
そんな価値観では、ここでは生きられない。
なんのために生きてやってると思ってるんだよ、恩知らず
お前が少ししか生きられてないってことでかわいそうだから一緒にいてやってんだよ。
本当はこんなのどうだっていいのに。
わがまま言って生きづらくするくらいならもうやめろよ。
そもそも私に入ってくるのがおかしい。
もっと合う人なんかたくさんいるのに。
もし仮にお前が幻覚とかだとしても許したくない。
今はそういう気持ち。
今後どうなろうが、今ここでお前を追い出したくなったのは事実。
だいたい、なんなんだよ。
「自分より幸せにしてる奴が憎い」だとか
お前の私情でここに来たくせに「現代とは合わない」だとか、そんなこと気にしてられないんだよ。
最初のうちはお前の影響で出た行動も「これは自分の意志でやったことじゃないな」って思ったが、もはやそれも分からない。
なにがなんだかわからない。
強いて言うなら、もう本当にそう考えて行動しているような、そんな感じがする。
いや、やはりおかしい。
私と高橋は別物なのに、なぜかあたかも同じ人のように一つの体の中に入ってる。
これが気持ち悪い。
自分が二つに割れたみたいで、本当に気持ち悪い。
せっかく私だって、普段は頑張ってその辺に居る人となんら変わらない生活してたのに、なんていうかその、あんなものやこんなものを見てあの頃を思い出したかのように私の心が高橋の精神にすり替わって、そうしてまた偽物の私になってしまう。
怖かっただろう。そりゃ気がおかしくもなるだろう。
それは十分理解できる。しかし限度がある。
仕方ないことだが、どうにかしてそのトラウマを私から切り離して、あくまでも「高橋くんの記憶」として、しまっておいてほしい。
私にまで移すものじゃないと思う。
頼むからそうしてくれ。
「こうしなきゃダメだ…」という強迫的な気持ちにはもう囚われたくない。
それが約束できるなら、許してあげるよ

今日も学校に来てしまった。ごめんなさい。
あなたを殺しているのと同義ですよね。
私なんかいなくなればいいのに。
こんなひどい事を平気でやってのける私を、どうか殺してください。
高橋くんが幸せになれるのなら、それは私の幸せ。
何をしてもいいんだよ。苦しくなったら泣けばいい。
楽しい時は素直に笑えばいい。
嫌な事があれば暴走してまで自分の思い通りにしても、私は悪いと思わないよ。
高橋くんのためなら。
高橋くんを苦しめる奴なんかいなくなればいい。
どちらにせよ、あなたは今のここでは生きられない。 常識も習慣も風景も、あのときとは全く違う。そりゃ、発狂したくもなるよ。本当にかわいそうだ。 頭おかしくなりそうだね。誰かさんのせいで。 こんなものはぬぎ捨てたい。慣れないものは消したい。
高橋くんの氣持ちは、泣けるくらいよく分かる。 だって、私の中にいる私自身だから。
けど今日も何もできない。あの頃には戻れない。 ごめんね、あと90年早く生まれてたら、こんな思いしなくてよかったのにね。
離れたくないね。
死んだときのあなたは12歳。
でも私はどんどん歳をとっていく。
子供のまま心だけで存在してるあなたとは、 どんどんすれ違っていく。
こんなのいやだ。
もうすぐ、開戦のあの日がやって来る。
12年間、肉体もってよく生きてきたね。
お腹すいたよね、のどかわいたよね。
死ぬのは怖いよね。なんで助けてやれなかったんだ
 
苦しかったよね、もう大丈夫だよ。
ひと思いに死なせてくりゃいいのに、熱い熱い。
あなたは79年前のあの日、みんなに別れも言えなかった。
もう一度、やり直したい。できれば、もっともっと前に。
あれよりもっと前、いっそ平和な時代に生まれて、自由に生きたかっただろう。わかるよ。 ごめんなさい。
時代には逆らえない。残念なことに。 もう一回、死のうか。

高橋くんごめんね
こんな弱いやつでごめんね
80年前、あなたは11歳だった。
11歳の頃の私は、サボってばかりでだらしないやつだった。
しかし、11歳の頃のあなたは、戦火に怯え、それでいて周りの人や愛する我が国のために身を削って必死に生きた。
私は自分が贅沢をしていることに気づけなかった。
そして今、あなたは私の中にいる。生きてる私の体に入って、無理をしてでも生きようとしている。
あなたは私と違って、素晴らしい人です。
12までしか生きられなかったあなたに、この生きた体を全て譲りたいのです。
けれどそれはできません。私の体が存在している現代と、あなたの生きていた頃は、もうまるで違うのです。
私の精神として生きているあなたは、これに耐え切れず今のようになっているのでしょう。
あそこにいたはずのあの子がいない。
たしかにここにあったはずの家がどこにもない。
凄く怖いよね。かわいそうに。
いつもどおり、あの頃の町で生きていたかったんだよね。
自分の心でその通りに理解できるのに、私は助けてあげられない。
ごめんね、どうか楽にしてあげたい。
なるべくあの頃に近い生活をするようにしたい。
けれど世の中がそれを嫌がってできない。
ごめんなさい。
どうしようもない弱虫だよね 私は。
私の理解者であり私自身でもある高橋くんはどうか世の中なんかに負けないで生きて欲しい。

ごめんなさい高橋くん。こんなつもりではなかった。
こんな宿主でごめんなさい。
周りのくだらない世間体のことなんかを気にして嫌な事は嫌だとはっきり言えない奴でごめんなさい。
本当は高橋くんの思う通りにしてあげたいのです。
この体をゆずっても別に構わないのです。
どうか私の事は許してください。
縛られるの、嫌だよね。早く楽にしてあげたいです。
そこで一つおねがいがあります。
私の体を乗っ取ってくれませんか。
そうすればもうこの体は高橋くんの思い通りに動きます。
これで自由になれます。
もう、そうしませんか。いっそのことこの私は消えたらいい。
それで高橋くんが少しでも楽になれるのなら、私は居なくなっても良いです。
そうすれば、私だってもう自分が誰なのかを考える必要はなくなるし、高橋くんもまた生きた人間としてこの世にいることができます。これでいいじゃないですか。

私が歳を取るたびに、高橋くんの元々の姿を離れていく。
彼は生きる事さえ叶わなくて、もう年を取ることはない。永遠に子供のまま。私の体を手に入れるまでは。高橋くんと一緒になりたい。
私はこれ以上かけ離れていくのは嫌だ。
時間とは無情なものだ。こうやって私たちの命を奪って逃げていく。
どうすればいいのでしょうか。私にも高橋くんにも分からない。

前世の記憶?みたいなのがある気がする。知らんけど
子供の妄想かもしれないから別に信じなくてもなんでもいいよ


私の中の人はかわいそうだ。(私の中で生まれて私の中で死んだ)
今年で91歳(つまり1931年生まれ)だったが、12歳のときに空襲で、一緒に暮らしてた大事な女の子とも離れ離れになって、そのまま攻撃を受けて焼け死んだ。
名前がついてるか心配だから、とりあえずもう一人の私のことは高橋と名付けた。
I
↑高橋くん
これが誰の記憶なのかは分からないが、髙橋くんのものである。
私の体を使いたいって言ってる。
もっと生きたいと、僕の体を返せと言ってる。
けれど彼の生きていた時代とは違うから、私の体に入ってきたときはそのギャップで「家に帰れない。」と言う。
だから私は帰りたくなる。
彼の見ていた世界に、なるべく近づけてあげられるように、ちょっと懐かしい感じの町並みを歩いてみたり、昔っぽい服を着たりして極限まで彼の見てきたものに近づけてやってる。
しかし、学校にいるとそれができない。
よりにもよって私が入学した年からなんか制服が今っぽくなってるし、家の周りの古い建物が次々壊されてなんか豆腐みたいな変な形の新しい家が建っていく。
寂しいと彼は泣いている。
かわいそうでならない。わざわざ私の体を借りてくれてるのに。
ちなみに最近は高橋くんと今の私が同時にこの体に入ってる(二人乗りみたいな)状態。
だから、その気になれば現世の私と高橋くんとで会話することもできる。
すごく真面目というか明るい人で、他人想いだった。
なぜ現世の私はこんなにも弱くて醜いのかと思う。
どうか、生きられなかった彼の支えになってやりたい。
それと、高橋くんは、その、大事な女の子をずっと探してるみたいで、会いたいと言っている。
実際、学校とかで私の体を使ってるときにその子によく似た女子に会うと懐かしくなるらしく、私の体は思わず叫んでしまう。
ちなみに、その子は高橋くん曰く「あの子は寂しがりやだから、早く見つけてあげたい」とのこと。
実はいつもついてきているのだが、実際に会えているわけではない。なんでかって、もういないからだ。
それは高橋くんも分かってて、だからこそ会いたいと言っている。
かわいそうでならない。
所詮いつもここにいるあの子は、彼があまりにも強く会いたいと思うあまり作られてしまった幻覚にすぎない。
なぜこんなにも、今の世の中は私たちに都合が悪いようになっているのかと思う。禁断症状が出るほどに。
体を使わせたくない(彼のために)ときもあるが、下手に断って悲しませてもいけないので、私の体で動きたいと言ったときには従うしかない。
二人がまた会えて、全て満足して、私がこんな思考をやめることができれば、全部そこで終わりなのに。
でもそれができない限り、私は哀れな高橋くんと架空の少女の友達、体を一緒に使う者として生きていくしかないのだ。
なんという、八方塞がりな人生。映画を見ているようだ。

こういうのがあったからこそ、戦争がとても怖い。
簡単に「死ね」だとか「死にたい」だとか言う人が許せない。人が人を傷つけるなんて、絶対にあってはならないのに。
「死ね」なんて軽々しく言うな。命を軽く見るな。
「死にたい」なんて言うな。生きたくても生きられない人がいる。彼みたいに。
くだらないことで反発して殺し合うなんて、人間らしくない。
動物とは違って考える力があるのに、なぜ防ぐことができないのか。
同じ人間として、恥ずかしく思う。

生きてるっていう感覚がイマイチ分からない。
なんで今私は息をしてるのか、なんで体を動かせるのか分からない。
人生が三人称視点で進んでるというか、「自分として自分の人生を生きる」じゃなくて、「『自分』という肩書の生き物が動いてるところを幽霊になって眺めてる」ような感じ(人生という映画を見ているような)がしてい気持ち悪い。体と意識は別物なのかもしれない。
あとは、いつも夢を見てるみたいで、目の前の光景に現実味がない。
こうやってこんな世の中で生きてるのも、夢だとしか思えない。
脳内の声のこと。
悪口とかは言われないけど、頭の中には「人生」っていう一種の映画みたいなものを私と一緒に見てる傍観者がいっぱいいて、私が何か面白いものを見るとその人(?)達も一緒に笑うし、私が失敗したときは笑い話にして茶化してくれる。
そういう傍観者の他には、親友みたいなのが一人だけいて、そいつはどこかで見たような顔(所詮妄想の産物だけど)をしてて、すごく懐かしい感じがする。
そいつはとくにいつも私のそばにいて、私が喜ぶと一緒に喜ぶし、もちろん悲しいときは私に同情してる。
私が遊び始めると「私も入れて」って言ってきてかわいいから嬉しいんだけど、やっぱり実際にいる「本物の友達」ではなくて想像の中にしかいないから、どうがんばっても会えないことに寂しく思っている。
(日記に書いたのは11月17日だが、自分が自分じゃない感じは四月くらいからある。)

朝、暇だったので少し一緒に遊んだ。
昼、ベランダに干したズボンが乾くのを待ってたら、頭の中で高橋くんが泣き出す声がして、行ってみたら、走ってこっちに来た。
何があったのか聞いてみると、最初は過呼吸になってて言葉が出てこなかったが、だんだん落ち着いてきて、子供嫌いの人に追いかけられて刺されそうになったって言ってた。
間違いなく、この間まで体を乗っ取ってたあいつだった。
抱っこして慰めた。すごく怖がって大泣きしてた。
しばらくしたら、安心したのか泣き疲れたのか私の膝に顔をうずめて寝た。
今日の日記は私が書いた。

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