思い出コレクション

懐かしいものとか載せてく。基本頭はお花畑。たまに写真とかも載せる。精神科行ってるガキの日記。 基本もう一人の自分であり自分だけの家族である高橋くんのことについての日記。

2023年03月

朝から元気よく「遊ぼう」と言ってきたので、一緒に遊んだ。
おいかけっこをして、先に僕が追いかけることになったけど全く捕まらなかったから代わってもらって、そしたらあっという間に捕まってしまった。
今はなんかテレビつけっぱで居眠りしてる。
テレビには、僕が考えたアニメが映ってる。
「こらこら、光治。おーい」って呼びかけたけど
起きないから疲れてるんだろうと思ってそっとしておいた。
ちょっとしたイタズラのつもりで、絵に描いてやろうと思う。
動かないから描きやすくてちょうどいい。
とりあえず、おでこに墨で「犬」と書いてやった。
気付いたらどんな反応するのか楽しみだ。

おでこに犬って書いてやったけど、結局今日一日
気付かれなかった。どんだけ鈍感なのよ。
まあ鏡を一度も見なかったなら仕方ない。
さすがに気の毒だから、夜寝てる間に拭いておいた。
機会があったらまたやるかもしれない。
次やるときは某野球選手みたいに目の下を黒くぬってやろうと思う。
というか寝てる高橋くんかわいすぎる。天使みたいだ。
起こさないようにそっと顔を近づけて頬ずりした。
気づいてはないけどかすかに体が反応して「すーっ」て音を立てながら呼吸が乱れてた。
心臓が口から出そうだった。なにやってんだ自分
ほっぺからはほのかにいい匂いがした。
赤ん坊の肌みたいなかわいらしい匂い。
もうほんとうに自分が気持ち悪くなってしまう。
でも止められない。晩この時間を楽しみにしてる自分がいる。
なんか急にちょっかい出したくなってきた。
あの子はよっぽどのことがない限り起きないし少しぐらい…って思って、試しにくすぐってみた。何も反応はない。
けどワキに手を入れてくすぐったら激しく寝返りをうった。
このいつ気づかれるかっていう冷や冷やする感じがたまらなく気持ち良い。ちょっとトイレ行ってくる。
寝返りをうつ高橋くんの手が顔に当たった。
「いてっ!」て言いたくなったけど飲み込んだ。
寒そうだから姿勢と位置を元に戻して布団をかけ直した。
元の位置まで持ち上げて運ぶのが大変だった。重くて中々持ち上がらなかった。
そうこうしてるうちに起きないかとハラハラした。
最後に、優しく頭を撫でた。
我に帰った。恥ずかしくなった。
でももうコントロールが効かないくらいかわいくて、昼間の元気な姿と無防備な寝姿の差にドキドキする。
情けない人間になってしまった。
なんというか、興奮で体中がドカドカ脈打ってたのに一気に血の気が引いていく感じが癖になる。温度差が突き刺さるような気がした。
12

あんた今屁こいたやろ?全部見えとるからな
ほんでお前。お前はでらかわええ。
子作りさせてくれ。頼むよ。グダグダするなよ、早く立てよ。
せめて一緒に風呂入ろうや。
怖くないから。まったくお前は臆病な奴だ。
あ?なに漏らしてるんだよ。そんなに怖いのか。
こっち来いよ。泣いてんじゃねえよ。
いやだじゃねえんだよ。動くな。
お前この間までわしにスリスリしてたやろ



自分の中の意識と現実世界の意識は別々だから、自分の中で何かをしながらそれをリアルタイムで文字として書き起こすこともできる。それ以上のことはない。
どっちかだけに集中することもできる。
そのときは、片方の世界は見えなくなる。でも苦しいときはそれができない。
高橋くんは自分の中と現実世界を自由に行き来できる。僕も同じようにできる。
今は現実世界にいる。僕によりかかって日記帳を覗いてる。できれば見ないでほしいのだがね。まあかわいいから許すけど

高橋くんは「最近あんまり構ってくれなくて寂しいよ」って言ってる。
たしかに最近はあんまり構ってやれなかった。
痛がるほど強く抱きしめた。
かわいがりたいのに、なんか困らせたくもなってしまって、強く抱きしめた。
「痛い痛い。はなして。」と言ったからはなした。
また取っ組み合いをした。
高橋くんのほうが強くて、すぐ押し倒された。結構痛かった。
高橋くんは「やった 僕の勝ちだ」ってはしゃいでた。
かわいいのと悔しいのとで思わず暴れたくなった。そのまま隙をついて地面というか床に押さえつけた。やだやだって言ってじたばたしてる。しばらく押さえてたら次第に動かなくなっていった。最終的には「お願いはなしてえ。次は手加減するから。」って言ってたからはなしてやった。
その後僕たちの世界に行った。
唐突に「あのよう、ご飯ないか?」と言った。
腹が減ったみたいだ。
僕が「何がいい?」って聞いたらコッペパンがいいと言ったので一緒に買いに行った。大きな一口でかぶりついた。すごく美味しそうだ。最高の笑顔でニッコリ笑ってる。「美味しい?」と聞いたら「うみゃー」と返ってきた。

暴力的な奴が自分の中の公園にいた子供を皆殺しにした。
殺された子供はいっぱいいる。
高橋くんと公園に来たときに見つけた。
頭が割れて脳みそが見えてる子供とか、バラバラに切られた子供とか、内臓が飛び出てる子供とか、頭がひしゃげた子供とかがいて堪えた。
僕はすぐに高橋くんの目を覆って、絶対目を開けるなと言った。
高橋くんは「何?どうしたの?」って言ってるけど、すぐに手を引いて逃げ帰った。
そのとき覆ってた手がずれてしまって、高橋くんの目にたくさんの死体が映った。
高橋くんは怖くて大声で泣き出した。そのまま座り込んで泣き叫んだ。
僕は高橋くんを抱き上げて走った。
あんなことするのは暴力的な奴しかありえない。
とりあえずどうにかしないといけない。放っておくと腐ってしまう。
小さい病院しかないけど、今はやってない。しかも誰一人生きてない。
みんな酷い死に方をしてる。
とりあえず大丈夫だから待っててって言って高橋くんを家に置いて、公園まで来た。
とにかく血生臭い。
切られた手足がそこらじゅうに転がってる。
一つずつ片付けてたら、どこかから悲鳴が聞こえた。
行ってみたら、暴力的な奴が小学生くらいの男の子を押さえつけて殴っていた。
反射的に僕が股を蹴ると痛そうに叫んで殴るのをやめてどこかに行った。
慌てて男の子の体を支えたけどだんだん大人しくなっていって、重くなったと思ったら死んでしまった。
頭から大量の血が出て、殴られたせいで内臓が破裂して血を吐いてた。
なんだか言い表せないほど怖くなった。
形が残ってる死体は一か所に集めて、それ以外はどうしたらいいか分からないから燃やした。その後隣町の墓地まで運んでいって埋めた。
いつの間にか高橋くんがついてきてた。「来ちゃダメじゃん」って言ったら「怖いよ」って言ってた。
「怖かった、怖かった」と言って泣いていた。

昨日の夜、僕は元気がなかった。
怖い事を考えてしまったのと、それとは別で何故か分からないけど勝手に涙が出てきて、父がいないと寝れなかった。
理由とかよく分からないけど、なんかとにかく寂しくて、友達と遊びたくてしかたがなくて泣いてた。
でも僕と気が合う人なんていないから余計に寂しかった。
高橋くんを起こしてそばにいてもらおうと思ったけどかわいそうだからやめといた。
それ関連でもう一つ。
最近なんでもかんでもかわいそうに思えてしまう。
人に対してだけじゃなくて、ゴミとか食べ物とか、そういうものにも「捨てられてかわいそう」とか「食べられてかわいそう」とか思ってしまう。
当然、誰も理解してくれない。
「もったいない」とかじゃなくて、「かわいそう」。
もったいないっていうのはあくまでも物として見ているから出てくる感情。でも僕の場合それとは違って、ゴミも食べ物も生き物に見える。
だからかわいそうだと思う。
それ以外だと、高橋くんをかわいそうだと思う事が多い。
とくに高橋くんは僕の母から嫌われてて、いろいろ悪口とか言われるのがかわいそう。
こんな風になってるのは高橋くんのせいじゃない。誰も悪くない。ただ考え方と気持ちを強制的に共有させてるこの体が悪い。
共有さえしなければ僕と高橋くんは一体化しなくて済む。でもわざとじゃない。
高橋くんだってたまたまああいう考え方の人だったってわけで悪いようにする気は全くなかった。なのになんでこんな責められなきゃいけないのか。
僕まで悲しい。僕たちは繋がっている。
見えないへその緒で繋がれてる。
共有されてても動きは違うし存在も違う。
あくまで同じなのは価値観だけ。だからそれぞれ違う事を考えて会話できる。
僕自身は高橋くんにはなれないし、高橋くん自身も僕にはなれない。
この体という乗り物を交代しながら使ってるだけ。それぞれの意思は別々である。
でも弟みたいに大切で、僕も高橋くんもお互い必要な存在。
どっちかが傷ついたらそりゃどっちかが心配するのは当たり前だ。
だからこれ以上責めないで欲しい。なるようにしかならない。
どっちも欠けてはいけない存在なのになぜこんなに悪者扱いされて責められなきゃいけないのか分からない。
どっちかが欠けたらもう片方も死ぬしかなくなるのに。二人で一つなのに。
本当にもう悪口言わないでほしい。
これが一番言いたい。
今こうなってる根本的な原因はこの共有されてる考え方にあると思う。
悪気があってこうしてるとか無理やり命令してきたりとかそういうのは全くないってことを分かってほしい。
というか本当に悪いのは暴力的な自分だと思う。
なぜか一番厄介なのにあんまり責められてない。
おかげで子供を見るたびに殺したくなるからまともに生活ができなくなった。
子供なんかどこにでもいるから避けようがない。
このクソ野郎の標的は子供みんなだから僕と高橋くんのことも殺そうとする。
本当にやめてほしい。今一番邪魔な存在。
あと高橋くんをいないものとして扱うのをやめてほしい。

今日も高橋くんと散歩に行った。
昨日あんまりかまってやれなかったからか、解放されたように走ってた。
元気がいいなあっていつも思う。
高橋くんって本当に幽霊みたい。どこにでもついてきて、他の人には見えなくて、ときどき僕に憑りつく。
ただ一つ生身っぽいのは、触った感覚があること。とくにそれ以外は幽霊っぽい。
でも悪い霊じゃない。暴力的な奴は、憑りつくことが出来るのはこの体だけなので、自分の中の自分が乗っ取られることはない。
こいつも幽霊(悪いやつ)みたいで、こっちは姿が見えない。見えないというか、見えてるはずなのに姿が認識できない。

洗濯物を干してる時、飛行機が近くを飛んでた。
けっこう音も大きくて、それで高橋くんは怖がって「早く逃げなきゃ死ぬよ」って言って手を引っ張ってきた。
飛行機がもっと近づいてきて、高橋くんは泣きながら逃げて屋根の下に隠れた。
「どうにもならないよ」って言っても「死にたくない!」って言って出てこなかった。
飛行機がいなくなったあともしばらく隠れて出てこなかった。
何もしてこない事が分かるとゆっくり這い出てきた。

ギャルのところに会いに来た。
インターホンを押すと、「チョリーッス」って言いながらギャルが出てきた。
高橋くんは緊張して固まってる。
ギャルは高橋くんを見て「何この子、もしかして緊張してる系?かわいいんですけどー」って携帯を取り出して写真を撮りまくってる。高橋くんは恥ずかしくて黙り込んだ。
ギャルは携帯をしまって自己紹介をした。「あ、メンゴメンゴ。それでね、ウチ、早苗っていうんだ。よろぴく!」
高橋くんは勇気を出して、「僕、高橋光治。こちらこそよろしく。」と言った。
ギャル「ねーねー、光治くんはふだん何してるのー?」
高橋くん「外で遊んでる。」
ギャル「へー!今度お姉さんも一緒にいい?」
高橋くん「いいよ。」
ギャル「やったー!マジ嬉しい!そうだ、今から友達が来るみたいだからじゃあね!」
僕たちは帰った。
なんというか、明るい高橋くんのことだから人見知りなく話すかと思ったけど意外と緊張してた。相手にもよると思うけどこんなに黙り込んでるところは初めて見た。テンションの高さとか、世代の差に驚いているようだった。

なんで高橋くんがここまで悪者扱いされるのか考えてみる。
一つ目の心当たりは、暴力的な自分。
暴力的な自分が物に当たったりしてた頃、やたらと高橋くんを嫌ってた。
ふとした時周りの物が高橋くんに見えてそれを壊せば殺せると思い込むほどに。
これを知ってる人はほとんど大人で、同級生には話してない。
だから周りの大人は高橋くんを悪者扱いしてる可能性もある。
ただそれだとなんで根本的な原因になってるはずの暴力的な自分ではなく高橋くんが責められてるのか説明がつかない。
二つ目の心当たりは、価値観の差。
高橋くんの考え方は、今の世の中には馴染めない。
この高橋くん由来の考え方が共有されてることによって僕までもが生きづらくなってるから、それが原因で責められてるのかもしれない。
もし仮にそうだとしてもわざと考え方を共有してるわけじゃないし、誰にも悪気はないからそこまでして責める必要はないと思う。
高橋くんの考え方では生きづらいし、純粋が故に残酷なところもあるけどそれでも僕にとってはかけがえのない存在。

高橋くんとギャルが会ったらどんな会話をするのか気になると言われたので、明日会いに行こうと思う。

また古い道に散歩に行った。
高橋くんは、軽い足取りで楽しそうに歩いてた。
僕はといえば、すぐ足が痛くなってよろよろ歩いてた。
その後友達を誘いに行ったけど、全員いなかった。
懲りない自分がバカみたいに思えた。高橋くんも残念そうに「つまんないのー。」って言ってた。
友達はみんな高橋くんと仲良くしてくれる。
だから高橋くんも友達と遊びたがってる。いつも行く父の実家も空いていなかったから、暇だったから僕の妹と遊んだ。

高橋くんは本当にいる。
姿もはっきり見えるし、声も聞こえるし、匂いもするし、触った感じもある。
もう友達とかのレベルじゃない。僕の弟。
寂しい僕を助けてくれた命の恩人。これでも存在を否定される。
なんで?ここにいるのに。
頭がおかしい(周りの人が)としか思えない。そこにいるのになんで見えないの?
信じられないって言ってる人が信じられない。
ここまで言ってもまだ信じない人がいる。
母は相手にすらしてくれない。
それどころか学校行けなくなったのは高橋のせいだって言ってる。
頭おかしいと思う。
高橋くんがいなかったとしても学校行けない原因は僕にもあるから関係ない。というか高橋くんがいなくなったら余計に行けなくなって完全に行かなくなると思う。
これ以上高橋くんのこと悪く言うんだったら本当に僕何でもするから。どうなっても知らん。
高橋くんが学校行くと苦しくなるのも好きでこんな風になってるわけじゃないし悪気は全くない。
というかよく「僕のせいで学校行けないんだよね。ごめんね。」って言ってくるから高橋くんだってわざと学校行けないようにしてるわけじゃない。
かわいそうだから本当にやめて。
本当に毎日毎日苦しい所で生きなきゃいけないのも全部かわいそうで、なのに悪口を言われても笑ってて、よく我慢出来てると思う。
周りの人がみんな敵に見える。
みんな高橋くんを悪いやつだと思ってる。
こんなにいい子なのに。存在すら認めてくれない。
命令してくるとかそういうのは今はもうない。
考え方が共有されてるだけで悪い事は何もしてない。
もっと大事にしてあげてほしい。悪い子じゃない。信じてくれ。
むしろ被害者なんだよ。

今日は高橋くんがすごく甘えてくる。
体をすり寄せながら「抱っこしてよ」とか「遊ぼうよ」とか、甘えた声で言ってくる。かわいすぎてどうにかなりそう。 離れようとすると泣くから離れられない。
まあ、こういうこともあるだろうと思って
こっちに抱き寄せて撫でてる。
きっと高橋くんも赤ちゃん返りしてるんだろう
今まで甘えられなかったぶん平和になった今思いっ切り甘えてほしい。
高橋くんのプロフィール
高橋光治 12歳(心の中は8歳)
血液型 分からない 住んでるとこ 僕の中 身長 132cm 体重24.5kg(回復してきてる)
好きなこと みんなで遊ぶこと
嫌いなこと 争いごと、ひとりになること、雨
好きな食べ物  梅干し、みそ汁、玄米、キャラメル、ボンタンアメ
特技  お手玉・縄跳び・竹馬
苦手なこと 早起き・断ること

今日は本当に、遊びもせずに甘えっぱなしだった。
そういう日もあるだろうと気にとめていない。
僕だって甘えたいときはある。
今日はとくに寄ってくるから、僕も思いっ切りかわいがってやろうと思う。
壊れそうなくらい強く抱きしめて、頭をくちゃくちゃに撫でくり回して、じゃれ合うこの幸せ。
高橋くんが夜泣きした。
今日はたくさん甘えてきて大変だったから
早めに寝かしつけた。そんで、もう寝たかと思ってたら しばらくして急に泣き声が聞こえてきて、行ってみたら 「離れないでよ」って泣きついてきた。
めんどっちいなって思いながらもやっぱりかわいくて、 甘やかしてしまう。
このまま一緒にいてやらないといけない。
あえて放っておいて泣き疲れさせようとも思ったけどやめといた。5歳くらいの子供に見える。
今度はこいつを寝かしつけるまで離れられなさそうだ。
もう甘やかしちゃダメなのに。

高橋くんの下の名前を考えてあげようと思う。
実は高橋っていうのも最初からついてたわけじゃなくて、 会ったばっかりの頃の高橋くんは自分の名前が分かってなかった。(忘れていた)なので、パッと見高橋って感じだったのと好きな歴史人物が高橋だったからっていうのでしっくりきて高橋と呼ぶようになった。
下の名前は、今まではとりあえず適当に考えた名前の 「陽平」と呼んでいたが、今ちゃんと考えようと思う。 なんというか、雰囲気的に「光治」っていうような
感じがする。読み方はみつはる。
なので当面は光治くんってことにしようと思う。これからは、「高橋くん」って呼ぶこともあれば 「光治くん」って呼ぶこともあると思う。
これからも僕のかわいい弟でいてくれよ、光治
「やったぁ。僕にちゃんとした名前がついたよ」

学校の制服を着ると、全く知らない誰かに中身がすり替わる事に気づいた。
中身がすり替わるというか、自分の中に全然知らない変な人が入ってきたみたいになって、高橋くんが怖がって、僕も高橋くんもこんなの自分じゃないし誰これってなって死ぬほど苦しくなる。
もうそうなると我慢とかそれどころじゃなくてなって、自分がだれか分からなくなる。
恐らく、その「全く知らない誰か」は一生誰なのか分からない。
というか存在があいまいで、すごくふわふわしてるというか、姿が認識できない。
居るのかどうかも分からないくらいふわふわしてる。
でも逆にそれが怖くて、高橋くんにも僕にもどうしようもない。強いて言うなら暴力的な自分と似たような感じ。どちらもぼんやりとした存在。
その全く知らない誰かはよくわからない方法で僕と高橋くんを苦しめる。そいつがいるだけで不安になる。
正直そこにいるのかも分からない。もともと高橋くんは新しいものを見ると迷子になったような気分になるけど、それが形として現れたのが「全く知らない誰か」なんだと思う。とにかくこれは感情によるものだからどうしようもない。下手したら暴力的な自分よりも自分自身に来るダメージは大きい。
本当に着るだけで自分がいなくなって変な人が入ってきて涙がぼろぼろ出てくる。

人間としての体を持ってる人が好きというか、そういうのに興奮する。
「可愛い子の内臓見てみたいな」とか、「あばら骨が浮き出てるってことはこの人の体の中身があって生理現象とともに生きてる人間なんだな」とかそういうことばっかり考える。
なんというか、体の中身を覗いて初めてその人が自分と同じ人間なんだなって実感するような、そんな感じがする。

高橋くん、今日は元気そうにしてる。
い今は僕の中の家で、隣の家との隙間のせまい道みたいなところにある物干しざおの洗濯物をまだかまだかと触りながら空を見てる。
後ろから抱きしめたらびっくりした後少し笑った。「びっくりしたー。急に抱きつかないでよ。」と苦笑い。
この間というか少し前から人前で笑うように意識してたらなんか最近なんでもない事でケラケラ笑えてきてしまうようになったということを相談したら、「笑うことはいいことだよ」って言ってた。
こたつの中にもぐって足を掴んでやった。
「誰?」と聞かれて「僕だよ」と顔を出したら「お兄ちゃん以外ありえないはずだよね」って思い出して笑った。
昼、友達と遊べなくて落ち込んでたら高橋くんが慰めてくれた。嬉しくて泣いた。

・一人でいられない。僕が隠れて様子を見てみたら寂しくて泣き出した。(その後ちゃんと再会した)・甘えん坊ですぐ甘えてくる・世話が焼ける・よく笑う・ちょっとしたことで泣く(大変だけどこれがかわいい)・子供らしい・学帽と学生服が最高に似合う・元気いっぱいで活発・なんともいえない懐かしい声がかわいい・シャボンの匂い・運動神経が良い・世の中の悪い事を何も知らない・純粋無垢・人間らしい・何かあったら心配してくれたりして優しい・ちょっと勇気もある・仕草の一つ一つがかわいい
僕が変態っぽいかもしれないけどそうじゃなくて高橋くんがかわいすぎるだけ

おっさん
ギャル
高橋くん
自分
妹
自分の中身のこと
・テレビをつけると、自分が考えたアニメがやってる。
・町には、子供がいる。主にいつも暴力的な自分に乱暴されてるのは彼ら
でも次々生まれてくる

いつものかわいい高橋くんが戻ってきた。
もうどこにも行かないでって抱きしめた。
そういえば昨日はこの間まで立入禁止だった場所に行った。そこがあの恐ろしい動物園だった。卒業式やってるのは、動物園の南にある廃校になった木造校舎だった。
立入禁止がなくなったので、地図を更新しようと思う。商店街と動物園の道が繋がってなくてよかった。動物園は怖い。
↓更新した地図
地図
高橋くんが、おじさん達(人生を実況する人)のところに行きたいって言ったから、一緒に行くことにした。
おじさん達はなんでも知ってる。今も僕たちが行くのをワクワクテカテカしながら待ってる。あの人たちは僕たちの人生を見つめてる人だから、何でも知ってる。僕が笑うと一緒に笑う。僕がボケるとツッコミを入れる。
一緒に生きてる感覚。いつも僕たちを見ている。
着いた。実況者たちが住んでるのは一つの集合住宅になっている。
そしてここだけ現代になっている。(他にも探せばそういう場所はあるかもしれない)僕たちは手を一緒にしてインターホンを押した。
「待ってたぞ」と一人の実況者が出てきた。
そのおじさんが仲間のおじさんを呼び出すと、みんな一斉に出てきて僕たちを囲んだ。
昨日の出来事はおじさん達の間で話題になってるらしい。すごく心配された。でももう大丈夫だと言った。
おじさん達は高橋くんと戯れていた。微笑ましかった。
その後帰るときも高橋くんは笑顔だった。
高橋くんは、この間買ってもらった紙石鹸を、「妹の匂いがする」といって大事にしている。今は庭で遊んでる。
暇だから少し相手をしてあげようと思う。高橋くんと遊ぶのは本当に楽しい。
僕自身も一緒に遊ぶ相手がいなくて、どうにかなりそうなくらい遊び足りなかったから、お互い気分よく遊べるのはすごく楽しい。
でも残念な事に、暴力的な自分がまた入ってくるようになった。
なんかもっと気が強くなってもどってきたというか、直接子供を見なくても考えるだけでその辺の子供を殴り殺したくなるようになった。
あくまで別の自分だから、手が上がることはないように抑えるつもりはある。
妹には早く逃げてもらいたい。
誰も殺したくない。暴力的な自分はとにかく子供を殺すことで頭がいっぱいなんだろうがそんなのはご免だ。自分の為にも周りの為にも子供には近寄らないでもらいたいし、認識させるのもやめてほしい。
概念すら感じたくない。なんかすごく嫌な感じ。というか、自分でもコントロールできないくらいあいつは怖いやつだから。
高橋くんが殺されるとこっちの気がくるっておかしくなるしそれはかわいそうすぎて見過ごせないから見守っておかなきゃいけないし、物理的にも抑えないといけない。というか自分も子供のくせになんでそんなこと思いつくのか意味わからん。
まあそういうのはいいけどとにかく今は子供に近寄らない方が良い。自分自身すら暴力的な自分の標的にされてるのはすごく怖い。
そのうち本当に誰かを殺しそうで自分でも怖い。
殺したいって心底思ってる自分と殺したくないって思ってる自分が同時に存在するのってなんか気持ち悪い。すごく複雑な気持ち。
子供について報道されてるニュースとかもダメだからテレビも見れない。
とにかく情報を遮断したい。
なんかもう嫌いとかそういうのじゃなくてあの暴力的な自分はもう頭の中で子供を殺すことに快感を感じているらしく、根っこから性格がひねくれてるから直しようがない。追い出すしかない。あんなのを自分だと思いたくない。

獲物
高橋くんがどこかに隠れて出てこない。
寂しくてどうにかなりそうだ。
心配で仕方ない。色々なところを探してるけど見つからない。
なんでもない顔をしてどこかから勝手に戻ってきて くれやしないかと思っている。
一人で外にいたらそのうち食べるものもなくなって 帰ってくるんじゃないかと思うが、やっぱり早く帰ってきてほしい。
ウロウロしてたら見つかった。中身の公園だった。
なんかしゃがみ込んだまま動かなくて、 「死んだのか」と思って肩に触ったら笑い出した。 なんか笑えてきた。いるけどいない感じ。
小指はここにある。脳みそが浮いてるように 見える。みんなの中身が見えてくる。 生きてるのか死んでるのか分からない。
生きてる高橋くんも死んでる高橋くんも どっちもいると思う。多分。
人の頭はちょっと ダンボールに似てると思う。
みんな僕のことを 変な人って言ってるのが聞こえる。ただの雑音だけど
心臓がここにある。これは当たり前。
見えて当たり前、心臓と小指と脳みそが見えない人はおかしい。からっぽなの?おかしいね
耳をさわりたい。高橋くんの耳を揉んでたらなんか血がでてきた。
泣き叫びながら逃げ出した。かわいそうに。
もっと追いかけたいからもっと走って。
思ってないけど自分の中が見えちゃって面白かった。うれしい気持ちになった。
みんな死んだら動かないんだよ。これって当たり前?
動物園から足が生えてきた。
足は変な形をしてて、たくさんある。
くねくねしはじめた。高橋くんが菜切包丁を拾い上げて、足を切った。
そしたら分裂した。怖くなった。でも見た。
足は臭かった。巨大だった。こっちに倒れてきたから僕達は走って逃げた。
テレビが置いてあった。ツマミを回したけどどれも砂嵐だった。つまんなかった。それでその足が追ってきた。
水たまりがあって、高橋くんがこけちゃって、大泣きした。
手を舐めながら逃げた。
痛い痛いっていってるけどどうしようもないの。ごめんね。おんぶした。軽かった。いい匂いのする子だ。古い紙とシャボンを足して2で割った匂いがする。とってもかわいらしい匂いなんだよ。
みんなにもすすめてあげよう。古い紙に石けんを塗って食べるといいよ。
逃げた先では、みんなが入学式をやってる。
いいなあ。あれ、ちがうぞ、これは卒業式かもしれないぞ。

裸
なんというかみんな体が小さくておかしい。
化物みたいであんまりうれしくなかった。
そしたら卒業式やってる内臓丸出しの気持ち悪い人がいて、その人が 追いかけてきた。
怖いからまた逃げた。家にたどり着いた。みんな生きてた。高橋くんが動く何かを吐き出した。
苦しそうにしてたから頭を思いっきり叩いて強制的に寝かせた。これで楽にしてやれる。 口から出てきたその動く何かは「キェアーーー!!!」 みたいな表しにくい声を上げてバラバラになった。すごく怖い。
高橋くんはそこに倒れてぐったりしてる。
意識はない。死んでるみたいに見えて怖い。
舌をかみちぎってみたいなって思ったけど怖くてそんなのできない。
だからその動くやつを切った。なんか知らないけど消えた。
そしたらその動く何かの親みたいなのが出てきて、高橋くんの口に変な薬みたいなのを無理やり押し込んで飲み込ませた。
それでも起きない。
「なんで」と思って首元に手をあててみたら脈が止まってた。
息もしてない。 その後なんか口から血が出てきてあっという間に冷たくなった。
そのまさか、高橋くんは死んだ。
思い切りゆすってるけど返事がない。動かない。
なんでこうなるの?いつ死んだの?
そうこうしてるうちにその化物は仲間を呼んできて、追いかけた。僕は急いで死んだ高橋くんを抱き上げて逃げ出した。
するとその化物の一匹がバラバラになったから、高橋くんの喉につっこんだ。
そしたら赤ん坊みたいな声をあげて泣き出した。
生き返った。涙が出そうだ。
無事息をふき返した高橋くんはバラバラになったそいつを投げつけて化物を全滅させた。
やるじゃんって思った。
家に帰った。
その謎の化け物は形がなくて、顔はあるんだけど言い表わせないというかぼやっとしてて分からない。
獲物

もう本当に中学生扱いしないでほしい。
冗談抜きで気が狂いそう。
中学生なんだから勉強しなさいとかクソみたいなこと言うな。自分は中学生じゃない。なに勘違いしてるんだよ。
もう勉強とか全部忘れたいって言ったのに。生きすぎたんだよ。あのとき友達を無視して入学なんかする前に死ねばよかった。
学力とかどうでもよすぎてクソだ。これも言ったはずだ。
せめて病気治るまでは小さい子供ってことにしといてほしい。本当に気が狂う。
中学生なんかじゃない。そんなクソじゃない。
自分勝手でもなんでもない。死んでほしくないなら気をつけろ。
どうでもいいならもう何でもいいけどさ。
もっと小さい子みたいに甘えて好きな事だけして勉強のことなんか全部忘れて生きたいんだよ。そうじゃないと壊れるんだよ。いい加減気づけよ
「もう中学生なんだから」だかなんだか知らねえがプレッシャーをかけるな。
死ぬぞ本当に。本当にあの時死んでおけばよかった。
中学生になんてならなければよかった。勉強のせいで体もなまってどんどん弱くなっていく。動いてなきゃ気が済まない。
じっとしてられない。走りたい。こんな自分が大嫌い。
将来のこともどうでもいい。死んでもいい。
早死にしても別になんでもいいしとにかく今この瞬間生きるのに必死なんだよ。分かれよ。
そういうこと考えたくない。そんなの大人の考えることだ。汚い大人になんかなりたくない。
二度と中学生って言うな。次言ったらどうなるか考えればわかるだろうが
分かるなら二度と言うな
むずかしい事は考えないでいつまでも純粋でいたいんだよ。当たり前のこともできないままでいい。

今日の高橋くんは今までで一番元気がない。
昨日父と暗い話をしたからなのか、昨日の夜からずっと元気がなくて、話をした直後から部屋にこもって出てこない。
こういうときは放っておいたほうがいいのかもしれないと思って放っておいてるけど一向に元気にならない。
暗い話というか、現実を突きつけられるような話で、高橋くんは「本当は僕はいないはずなんだ」と思ってしまったらしい。そんなことないって言ってあげたい。
高橋くんも一人の人間だって言いたい。
幻覚なんかじゃなくて本当にいると思ってた。
それだけに、ショックだった。
一人ぽっちになった気分だ。
呼びかけても、泣くばかりで返事をしない。
どうしたらいいんだろう。
取り返しのつかないことになってしまった気がする。
もう前のようには関われなくなるかもしれない。
汚い現実なんか見せるんじゃなかった。
僕のせいで壊れてしまった。あの子の心を壊してしまった。

高橋くんのことが心配になってくる。
思い切って部屋に入って見たら、泣き叫びながら抱きついてきた。
今はただ慰めないとまずい気がして、黙って頭を撫でた。
高橋くんは今は自分専用の肉体がなくて透けてる(姿はあるから生きてた頃の姿として見える)から、ストレスがかかりすぎるだけで死ぬ。
周りからは散々な言われようで、とうとう我慢できなくなったらしい。
たしかに、周りの人は、同年代の子供たちは理解してくれるが、大人たちのほとんどが「消えた方が良い」とか「所詮妄想の産物だ」とか「実在もしない奴に対して何やってんだ」みたいなこと言う人ばかりだ。これはひどい。
体を持ってないとはいえ一人の人間でありちゃんとした人格も形もあって意識もはっきりしてるのにそんなひどいこと言わないであげてよ。
かわいそうで見てられない。本当に心が痛くなる。誰よりも気の毒だ。
古いものばっかり好むのもみんなそんなのただのお前の趣味だとか、高橋は存在しないとか辛辣な事ばっかり言われる。
違うのに。高橋くんがいるからこそだからこそそういう記憶があってあの時代を愛してるのに。
僕の気持ちも高橋くんのことも否定しないでほしい。
お前らには見えてないかもしれないしどこにもいないじゃんって思うかもしれないけどいるんだよ。ここに。
そこまでして嫌な思いさせたいのか。気持ち悪い。怖い。
詳しいこともこれ以上問い詰めないでほしい。
言った事をそのまま受け取って聞いてりゃいいんだよ。
昨日も色々聞かれて正直怖かった。
何か反論されそうだと思ってしまって誰にも本当の事が言えてない。
言ってる事おかしいのもわかってるんだよ。
その時代生きたこともないくせに偉そうなこと言うなって反論されるのも予測できてるんだよ。
でも分かってるんだよ。良い事も悪い事も全部わかるんだよ。ただ好きでやってるだけの人だと思わないでくれ。
高橋くんに聞いたんだよ。
なんでそんなひどいことが言えるのか本当に理解できない。
高橋くんはまだ12歳だぞ。
世の中のこととかまだ知らないのに広い目で見るような力も持ってないのにそんなこと言われてたまるか。そんな深いこと考えられないんだよ。
ただ思い出がほしかったんだよ。
なのにこんな周りから散々な事言われて叩かれる。
かわいそうだと思えないの?心腐ってるの?一人の立派な人間傷つけて。
ある意味高橋くんも僕だよ。ああいうこと言う人が本当に許せない。
今まで何言われてもなんとか頑張って笑って生きてたのにもう限界だ。色々おかしい。
仕舞いにはお前を産んだ覚えはないとまで言われてる。
本当にひどい。高橋くんと僕はもはや一つなのに。
高橋くんをこんなにして傷つける大人ばっかりの世の中。
これだから大人は嫌いなんだ。融通も利かないし。
「胡散臭いなー」とか思ったとしても黙って話聞いてりゃそれでいいんだよ。口出しはいらん。
何もしなくていいし何も言わなくていいから話を聞け。
ただ共感するだけでいい。バカらしいと思っても「そうだよねー」とか言ってればいい。
否定されると壊れるんだよ。何もかも。

最近、高橋くんがかわいすぎていじわるしたくなる。
ほっぺたをつねったらどんな反応をするのかとか、泣くまでくすぐってやろうかとか、そんなことばっかり考えてしまう。
冗談っぽくやっていいか聞いてみたら、「ダメだよ!」って半分呆れたように笑ってた。かわいすぎてどうにかなりそうだった。
異常だって分かってるから、実際やることはない。

なんか今日の夜ずっと泣いてた。
迷子になったみたいだって。

高橋くんは、僕の中の庭で遊んでた。
雨が降ってきたので急いで戻ろうとした。
でもそのとき転んでしまって、膝と手のひらを擦りむいた。
高橋くんはもう半べそ状態。
「雨が沁みて痛いよ」って言ってる。
とりあえず部屋の中まで連れて行って、消毒をした。
絆創膏を貼って、涙も拭いてやった。すぐ泣き止んだ。
一緒にお絵描きしようって言ったから絵を描くことにする。
かわいい泣き虫だなあオイ
高橋くんって古い紙みたいな匂いがするんだね
夜、高橋くんとじゃれ合って遊んだ。朝の傷はもう痛くないようだ。取っ組み合いは楽しい。
ちなみに、絵のことだが、こっちは現実世界に出てきてもらって描いた。
タイトルは「二月十一日」。線画を僕がやって、色塗りを高橋くんにやってもらった。僕のを手本にしてるところもあって、いつもと似ている塗り方もあったが、高橋くんが考えた塗り方で塗ってあるところもあって、なかなかおもしろい作品ができあがった。
令和伍年二月十一日 (1)
作業工程
僕が線画を描く
   ↓
コーヒーに漬けて乾かす
   ↓
高橋くんに体の操縦を交代してもらって、色を塗る

なんで高橋くんが来たのか考えてみる。
高橋くんが来たのは忘れもしない、小6の十月末頃のこと。
当時は楽しかった。悩みなんてなかった。
直接話したり関わったりはしない。そこにいるだけだった。
高橋くんの持っている記憶を見ることはできたので、それを使って物語を書いたりしていた。
でも卒業に近づくにつれ、中学生になりたくないって死ぬほど思うようになった。
その理由は、成長したくないのと、小さい子供のままでいたかった(心の底から)のと、自由がなくなるのが嫌だったから。
中学校なんて、最悪なことばっかり。
自分を中学生だなんて思うだけで本当に吐き気がしてくる。あんな汚い存在にはなりたくなかった。
遊んでたほうが人生楽しいのに勉強ばっかりやらされて、人間らしくない。自分らしさも奪われる。小学校では「楽しく生活すること」が中心だったのに、中学校では「ただひたすら楽しくない勉強をやり続けること」が中心になってて本当に反吐が出るくらい気持ち悪い。キモい。
こんなの絶対嫌だった。もっと無邪気になりたい。
まあそんな感じで、中学生には絶対なりたくなかった。
入学する前に死んでやろうかと本気で思ったこともあったが、友達がなんとかなるって言ったからとりあえず死なないでおいた。
そんなこんなで入学式。本当に最悪だった。
自分を中学生だと認めたくなかった。絶対に認められなかった。
なんとかなるって思ってたけど、そんな風に期待そた自分がバカだった。
全然どうにもならなかった。地獄そのものとしか言いようがなかった。生き地獄とはこのことか。
それから、四月頃から夏休みにかけては、常にこの体を高橋くんが使っていた。
その頃の自分は、そのことに気づいていなかったようだ。
夏休みが終わって秋になると、高橋くんの存在に気付き始めた。中身が入れ替わることにも気づいて、対話するようにもなった。高橋くんを守るのに必死だった。
冬になると、暴力的な自分が現れて、高橋くんをいじめて泣かすようになった。
その頃はもうその暴力的な自分に乗っ取られていて、主人格のほうも高橋くんのことを避けてた。
年が明けてしばらくすると、暴力的な自分はあまり入ってこなくなって、高橋くんとはこれまで以上に仲良くなった。
それからしばらくすると、暴力的な自分は完全に消えた。
高橋くんはもっと元気になった。
これが、これまでの経緯。
次は、高橋くんが来た時の話。(きっかけ)
きっかけは確か、古い写真を見たときに、なんだか直感的に何かを感じて、気づいたら高橋くんがいたというような感じ。自分で考えたのかもしれない。
そのときはただそこにいるだけ。準備段階のような感じ。
ただそれからストレスが大きくなっていくと、姿を現した。本格的に姿が見えるようになったのはこの段階。
ストレスから逃げるために高橋くんは来たのだと思うようになってきた。
さっき父に話したら、何かすごい嫌な事があって、それから自分を守るために作られた別人格なんじゃないかというようなことを言っていた。
こういうこともあって、高橋くんが来たのはストレスが原因だと思う。高橋くんは、僕のために来てくれた。
やっぱりそう考えると頼もしいというか、自分を守るために来てくれたんだと思うと惚れ惚れする。
頭の中には人生を実況する人たちがいるのだが、その人たちにもかわいがられて、すごく幸せそうだ。(頭の中はオッサンだらけだから子供がかわいいのかも)
今日も元気そうで良かった。
そのまま今日の日記を書こうと思う。
朝、嫌な事があったけど高橋くんが慰めてくれた。高橋くんは、僕の事をお兄ちゃんと呼ぶようになった。親しくなれたようで、嬉しかった。
昼からは、一緒に縄跳びをした。
高橋くんのほうが上手だった。体力も僕より何倍もある。
小さいくせによくやる子だと思った。
夜、抱きしめて頭を撫でてやった。嬉しそうに笑ってた。
今日は少し夜更かししてこの日記を布団の中で書いたが、書いている間に高橋くんは寝てしまった。
隣で寝ている高橋くんの手をなんとなく握った。温かくて小さい手だ。
今日もお疲れ様。おやすみ。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         

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